詰将棋解答選手権 | マイナビブックス

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将棋世界

詰将棋解答選手権

2015.04.02 | 小野寺隼

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詰将棋解答選手権に行ってきた。
2月下旬に参加を唆されて応募したのだが、正直いって1問でも解ければいいほうだと思っていた。
目標が1題正解となるのは必然。
将棋世界という名前を出して、取材兼出場者なんてことをすると、0点を取ったときに編集部の恥となりかねない。あくまで個人的な趣味として参加した。
なお、問題および解答手順、成績などは詰将棋解答選手権速報ブログをご覧ください。
また、時系列は大幅に無視して、思い出した項目ごとに記載します。

盤駒使用に対して
受付を済ませ、指定された座席に着く。
盤駒は用意されていた。せっかく持参したのに。
棋士の座席にも盤は用意されていたが、駒はなかったという。
「いままで棋士が駒を使ったことはないから置いていません。駒を使いたいという申し出があれば当然貸します」ということだったが、そのような申し出をする棋士はいない。
ただし、第4問は歩の数が分からなくなるから、あれば楽だった(が、あったとしても使いません)という棋士も。
そんな中で、「ふとした弾みで駒を落とすかもしれない。机の上に用意されていなくてよかった」というのは行方八段。
第10問に関していえば、何が合駒として残っているのかどうかが分かるという点で、駒を動かさなくても解きやすくなる(らしい)。
盤駒を使えばどうにかなるような難易度ではないのだが。

第1ラウンド
第1問。読みの本線は▲5三銀△5五玉▲6七桂△同香成▲6四銀不成△4四玉。もうひとつ読んだ手順は▲5五銀△同銀▲5三銀成△同玉▲5二飛成で収束させる筋(初手は知らない)。どちらもはずれで不正解。
第2問。こういう広い局面は苦手だ。制限時間内には解けないだろうとあまり考えなかった。1点入ればいいかな、と4手のみ記入して終了。
第3問。▲3五角から▲1四金~▲2四角で詰んだと、解答用紙に記入しているときに、読み抜けと修正手順としての初手▲5三角に気が付く。
▲3五角で詰んだ→読み抜けた→▲5三角で歩が余る→△3五桂を読む→やはり歩が余る→△4四歩の打診中合で……→▲同角成でも▲同角不成でも詰まない→▲5三角△4四歩▲3五角だと……→どうやら作意らしい。
第1、2問を後回しにして、解けそうだと思った第3問に時間を費やしたため1問正解。目標は達成された。

第2ラウンド
例年であれば中編4題が出題されていたが、今年は形式を変わったから、解けそう……? と第2ラウンドが始まる前までは勘違いしていた。
第1ラウンドで1問解けたからといい気になっていた。
第6問。これを解かないと本当に点数が取れそうにない。90分かけてでも解くしかないと思った。たまにほかの問題を見て気分を変えながら60分ほどで解答。手順中に1カ所気になるところがあったが、解説では「▲3三飛に△3二歩は無駄合」と、さらっと流された。
この問題に対して、ある解答強豪氏は打ち上げで「▲2二銀から▲3一銀で、10秒くらいで詰みました。初手▲1三飛? そんな手があるんですか」とおっしゃった。
第7問。持ち駒の角が限定打にならないわけがなく、いつ、どこから打つかという問題。候補は9四(8三角成で馬ができる)、6七(くっつける)、1四(2三角成がある)の3択と予想。だからといって解けるわけではない。
第8問。解説者に「これも素直な問題で……」といわれて会場は苦笑。
第9問。参加者A「▲4五銀の変化で△3三玉以下▲3四香から先が分からないのですが……」解説者「どこに逃げたときが分かりませんか。▲3四香にどう逃げましょうか?」
どこに逃げると詰みやすいかも分からないし、どこに逃げても読みきれていないし、そもそもほかの変化も全然分かりませんが?

宴会にて@マニア認定
結果を肴にする。
誰がどの問題で何点取ったのか、順位はいくつだったかと、成績表を見ながら飲む。
第1問が解けなくて、第3問が解けるとはマニアですね、というお墨付きをいただきました。

宴会にて@推理将棋
何かの勢いで、自作の推理将棋を披露したような。
「14手で先手玉が詰んで後手の勝ち。棋譜中に『同』という字は6回出てきたが、『成』という字は1回しか出てこなかった」というもの。
7回と言ってしまったのであれば訂正いたします。
ただしこれだけでは余詰があり、修正として「そしてその『成』1回は最終手で、不成だと詰まなかった」という条件を追加。
推理将棋は検討が大変だが、キズの修正は楽だ。

宴会にて@記憶力低下
持ってきた盤駒は宴席で活躍した。
(発表作、未発表作の関係なく)何か自信作ないの? というような感じで出された問題を皆で考える。
ある作品の収束手順に見覚えがあると思ったら、詰将棋サロンの投稿作だった。
初見ではないのだから、手が見えるのは当然だった。

当面の課題
「来年は投稿しますか。そうすれば解答者になる権利がなくなるので」
「そうしたらボツにして、参加できると連絡を入れてやるよ」
それよりも4月11日の一般戦をどう乗り切るかが問題だ!