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先手中飛車のコツ、教えます

2014.12.15 | 米澤孝至

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先日、新シリーズが発売いたしました。

「わかる! 勝てる!! 現代中飛車」(著:大平武洋五段)です。
 
この本の素晴らしいところは、定跡手順を並べるだけでなく、先手中飛車を指しこなすコツを順を追って伝授する作りになっているんです。
 
大まかに示すと、
 
「戦型の理想形」を示す
定跡手順の手前の部分である「組み上げる手順」、「仕掛けられたときの対応策」を解説
「最新の変化」を紹介
 
という感じです。
自然に読み進められる構成になっているはずです。
 
今日は早足で紹介します。
 
▽目次
 
 
こんな感じです。
易しい解説になっていますが、ご覧の通り、ボリュームは十二分にあります。
 
コラム③が気になるコアなファンもいるかもしれませんが、個人的にはコラム①と②が好きです。
これを読むために買っても損ではないかも…?
 
▽理想形
 
まずは先手中飛車の理想形を確認しましょう。
自陣だけを見れば、
 
 
この形から、
 
 
こんな感じで進めるのが理想的です。
左金が4九から6七へ移動していますが、この左金の動かし方も、3パターンに分けて、特長と注意点をじっくり解説しています。
こうした組み上がるまでの手順と考え方を序章で示しているので、後の手順もすっきり頭に入ってくるはずです。
 
ちなみに、次の第1章第1節は「端歩の関係」。
アマチュアにはよく分からない端歩の解説を大平先生がスパッと解決してくれます。
今日は割愛。
 
▽仕掛けへの対応
 
いきなりですが、下の図を御覧ください。
 
 
かなりすっ飛ばして第1章第5節です。
△7三銀に対し、▲6六歩と突いた局面です。
 
結論だけ先に記すと、
・ここで△6四銀に対しては▲6五歩△同銀▲6七銀とし、▲6八角~▲7七桂を狙って先手指しやすい
△7五歩への対策が肝心
・例えば△7五歩▲同歩△6四銀▲7四歩△8四飛▲6七銀△7四飛で先手失敗
 
という感じです。
 
△7五歩への対策、今日はチラッとお見せします。
 
 
△7五歩は取らずに▲6七銀
そして重要局面には、上のようにでっかい「ポイント!」マークが付いてます。
そしてポイントは各節の最後でも確認できます。
 
 
例えば今回だと、「△7五歩は取らない」ですね。
皆さん、うっかり△7五歩は取っちゃダメですよ!
その後の詳しい手順は書籍にて。
ヒントは既に「居飛車の右銀を負担にさせる意識を持つ」と、書いてあるんですけどね。
 
 
こういう流れで、居飛車のさまざまな仕掛けに対し、受け方・反撃を紹介しています。
ただ受けるだけでなく、一気に勝ちになる変化も多く、かなり実戦的な戦法だなとあらためて痛感しました。
 
そしてその後は、居飛車側も仕掛けて面白くないなら囲う…ということで、ラスボス「穴熊」が登場し、先手中飛車が穴熊をぶっ潰してハッピーエンドです。
 
「結局、居飛車穴熊に勝てるんですか?」
 
とお思いの振り飛車党の皆さん。
次回は穴熊退治、ご紹介します。
乞うご期待。ではでは。