ふと思い出した話―酒席で若島さんが出したクイズ | マイナビブックス

価値ある情報を幅広く紹介。将棋の「知りたい」はここで見つかる

マイナビ将棋編集部BLOG

将棋世界

ふと思い出した話―酒席で若島さんが出したクイズ

2014.08.19 | 国沢健一

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは。将棋世界の国沢です。

 
今月末は社団戦、来月下旬は職団戦と大会が続きます。
たまには詰将棋でも解かないと、と思い、手元にあった「詰将棋解答選手権2014」を読んでみた。この本は3~4月にあった詰将棋解答選手権の問題が収録されており、チャンピオン戦はできるわけないので問答無用で無視。一般戦でも自分にはかなりハードルが高く、初級戦の6問を解いたところで終了。まあ、レポートなどいろいろ載っているので、あとは眺めるだけにします。
 
ちなみにこの本、書店には置いてないと思うので、欲しい人は東西の将棋会館か、郵便振替でどうぞ。

今年のチャンピオン戦優勝者は、詰将棋作家で英文学者の若島正氏。で、若島さんの優勝自戦記を読んでいたら、むかし1度だけ、たぶん私が詰将棋解答選手権の取材に行ったときだと思うが、酒席をともにさせていただいた時のことを思い出した。
 
細かいことは覚えていないが、そこそこお酒も入った後、若島さんがクイズを出してきた。
 
将棋盤の上、どこでも好きな所に銀を置いて、その銀を1度通った升目は通らずに81マス全ての上を通ることができるか

というものだった(と思う)。皆さん、できると思いますか?
 
当然、そこからシンキングタイムが始まった。
・・・
自分も含め、何人か考えていたが、できない。そもそもできるのかどうか分からない。できないのならば、なぜできないのかを説明しないといけない。「駒を動かしてみて、できなかったから、できない」、というのでは答にならないだろう。
 
降参となり、若島さんの解説が始まった。
 
銀は横に動けないから、移動後は必ず、今いる場所の上の段か、下の段に行くんですよ。つまり、最初に銀がどこにいようが関係なく、最初に奇数の段にいたら、次は偶数の段、奇数、偶数…とね。だから、奇数の段と偶数の段の数の差は常に、0か1になる。
将棋盤は9段あるから、奇数の段と偶数の段の数の差は9ある。だから、答はできない、が正解。
 
確か。こんな内容だった。その時の若島さんの解説があまりにも素晴らしく、すごく感動したことを覚えている。その割りに今まですっかり忘れていたのはお恥ずかしい限りだが、酔っ払いながら聞いていたということでご勘弁を。
ちなみに↑の説明で分かりにくかったら、私の言葉が下手くそなだけで、若島さんの解説はものすごく明快で分かりやすかった。それこそ、酔った頭でも理解できるくらいに。
 
ということで、この感動をほかの人にも知ってほしく、さっそくほかの編集部員に出題した。
 
「簡単ですよ」の声に、思わず答を聞くと、途中で銀が成っていた。そりゃできるわけだ。これは私の出題が悪かったのか。