2018.09.10
愛犬の気持ちを知る
愛犬が今どんな気持ちでいるのか、その心を読み解くウェアラブルデバイスが「イヌパシー」だ。犬の胸に触れる部分に心拍センサが内蔵されており、独自技術による心拍変動解析によって、脈拍の軽微な変化から自律神経の活性状態を分析。「リラックス」「ドキドキ」「ハッピー」「好奇心」「ストレス」の5つの感情に落とし込み、首元のLEDライトがそれぞれの対応する色でリアルタイムに表現する。
たとえば、飼い主が近くにいると「ハッピー」や「リラックス」の状態になるが、「待て」と声をかけると、LEDライトが集中状態の白色に変化する。子どもが近くにいるときはどうか、散歩中の気分はどうかなど、これまで人間側がわからなかった感情が、イヌパシーによって視覚化されるのだ。
犬は感情表現が豊かで、行動や表情からある程度の感情は推測できるという調査報告もある。しかし、心拍の変化であれば常にデータが取れるうえ、より正確な精神状態が現れやすい。イヌパシーによって、まるで愛犬と会話をしているような、新しいコミュニケーションの形が実現した。
使い方は、端末の電源ボタンをオンにし、ハーネスを犬に着せるだけ。端末の重さは100グラムと軽量で、愛犬がストレスを感じにくい設計となっている。従来の犬向けウェアラブルデバイスは声紋分析型が主流で、心拍計測型であっても毛を剃ったり、ジェルを塗ったりする必要があった。その点、イヌパシーは心拍計測型だが、そのまま装着できる優位性がある。
端末にはブルートゥースが内蔵されており、アプリとの連係も可能だ。アプリ上では、感情データや心拍データの記録が確認できるので、単なるコミュニケーションツールだけではなく、健康管理にも役立つ。読み取ったデータはすべてクラウドに蓄積されていくため、デバイスが本格普及すれば、ビッグデータとして活用され、より精度の高い解析にもつながるはずだ。