2018.02.07
[ 今はなき意欲的な“名品・迷品”の数々 ]
Appleの昔を振り返るこのシリーズ企画。第三弾は、「懐かしのApple周辺機器」です。近年のAppleは、純正の周辺機器をあまり多くリリースしていませんが、遡ってみると昔は実にさまざまなアイテムが存在しました。中にはデジタルカメラやPDA、マルチメディア機など、今では到底考えられない意欲的な製品も…。Appleがどんな道を歩んできたのか、その一端を見ていきましょう。
5.25インチのデュアルフロッピードライブ
Disk II[1978年夏発売]
Apple IIはデータ記録用にカセットレコーダを内蔵していましたが、読み書きに時間がかかりました。そこでAppleは独自に「Disk II」という5.25インチのフロッピーディスクドライブ・システムを設計。それによってApple IIが愛好家向けのデバイスからコンピュータに進化し、表計算ソフト「VisiCalc」などを利用できるようになったことが同モデルの成功につながりました。
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マウス登場前のコントロールデバイスの傑作
Apple II用ジョイスティック[1983年冬発売]
1977年に発売開始されたApple IIは、当時としては高い解像度でカラー表示をサポートしていたことからテレビゲームファンを惹き付けました。ゲーム用のジョイスティックやパドルは基板上のコントローラ用端子に接続するようになっていましたが、1983年に登場したApple IIeで背面に専用ポートが用意され、簡単に着脱可能に。そのゲームポートに対応する純正コントローラとして、Appleが用意したコントローラの1つが「Apple II用ジョイスティック」です。Apple IIe、Apple IIc、Apple IIGSで使用できます。
Appleのドットマトリックスプリンタ
Imagewriter[1983年冬発売]
故スティーブ・ジョブズ氏はグラフィカルインターフェイス(GUI)とともに、ディスプレイで見たものを見たまま得るWYSWIG(What You See Is What You Get)にも強いこだわりを持っていました。今でこそドットがわからないような高解像度で高精細なディスプレイに美しい文字やグラフィクスを表示できますが、かつては印刷しなければただの電子的なデータでした。初代Macintosh発表前の1983年後半に登場したシリアル接続のドットインパクトプリンタである初代Imagewriterの頃から、WYSWIGの実現を目指していたのです。
DTP革命を起こしたプリンタ
LaserWriter[1985年春発売]
LaserWriterは、LBP-CXというキヤノン製レーザプリンタ・エンジンとAdobe Systemsのページ記述言語・ポストスクリプト(PostScript)を組み合わせて、300dpi程度の解像度で緻密な印刷を実現しました。初代モデルの価格は6995ドル。高額でしたが、LocalTalkによって1台のプリンタを複数のMacで共有できます。LaserWriterとともにアルダスがレイアウトソフトのPageMakerをリリースし、パソコンでデザインしたままの印刷を得られるWYSWIGが出版社やデザインオフィスに浸透、デスクトップパブリッシング(DTP)というデジタル革命が瞬く間に広まっていきました。