アドビ・プレミアプロCC次期バージョンのお披露目会|MacFan

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アドビ・プレミアプロCC次期バージョンのお披露目会

文●編集部

Mac Fan編集部のブログです。

先日、とある企業のご厚意で、コーエン兄弟監督の最新作「ヘイル、シーザー!」(5月13日公開)の試写に参加させていただきました。ジョージ・クルーニーやスカーレット・ヨハンソンなど、豪華キャスト共演のコメディ映画です。時代は「映画黄金期」といわれる1950年代。スター俳優が忽然と消えた誘拐事件を中心に、往年のハリウッドの制作スタジオで、さまざまな事件が勃発します。

とにかく豪華なキャストと、ハリウッドのスタジオが舞台なだけあって、いろんなジャンルの映画が映画内映画として画面に登場する面白さ、複雑な人間模様とそれぞれにアクの立ったキャラをわずか100分という尺にまとめあげる編集手腕、どれをとっても素晴らしく、「手に汗握る冒険活劇」という形容がぴったりの、大変面白い映画でした。

どうしてMac Fan編集部がこちらの試写にお呼ばれしたかというと、この会を主催したのが「アドビ」だったからです。実はこの映画、アドビが提供する映像編集ソフト「アドビ・プレミアプロCC」を使って全編編集されたとのこと。

それも、この夏公開される予定の新機能を搭載した次期バージョンのプレミアが使用されました。その最新機能とは、
・4K ULTRA HD、HDR、VR、RED WEAPONの8Kなど、これまで以上に多彩なフォーマットや編集作業が可能に
・プロジェクト設定に「インジェスト設定」が追加され、ビデオの取り込みをバックグラウンドで行いながら、すぐに作業できる
・プロキシを用いたワークフローの整備。プロキシとネイティブフォーマットの行き来を自在に行えるため、8K、HDRといった高負荷メディアでの作業も簡単になる
・360°パノラマVR撮影した画像のプレビュー表示
・Lumetriカラーツールが拡張され、ホワイトバランスに「ホワイトバランスセレクター」が追加。映像中の無彩色部分を選択することで、ホワイトバランス調整を行える
などなど

どれをとっても強力に進化しているプレミア。映画やテレビ番組のみならず、インターネット上でもますます存在感を増す「動画」ジャンルの作り手たちにとって、最適のパートナーになりそうです。

これまで、編集ソフトとしてはアビットが主流だった映画業界でも、プレミアを使用し始めるポスプロがどんどん増えているそうです。VFXを多用する昨今の映画制作において、アフターエフェクツとの連係が極めてスムースであることも、その理由の1つといえるでしょう。しかし、それ以上に印象的だったのが、監督自ら編集者でもあるコーエン兄弟のインタビューで、「プレミアでは、その編集作業がフィルムのときとほとんど同じようにできる」と何度も強調していたことでした。いまだ撮影ではフィルムを用いる両監督にとって、映画におけるフィルムの価値と伝統、そこから生み出されてきた先人の知恵がいかに大事かということが垣間見られた瞬間でした。

奇しくも、時代設定は1950年代でありながら今も変わらぬ映画の価値を高らかに謳い上げた映画「ヘイル、シーザー!」の制作において、どんなにテクノロジーが進歩しても変わらない映像の本質を編集作業に活かした両監督。その中心にアドビのソフトがあったというのは、とても興味深い話です。



●ヘイル、シーザー!
http://hailcaesar.jp
●Adobe Premiere Pro CC
http://www.adobe.com/jp/creativecloud/video/pro-video-tools.html#x
(コーエン兄弟のインタビュー動画公開中!)

【山本安寿紗/Mac Fan】

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