2016.01.14
知れば知るほど奥深いヨセミテの仕組みを解き明かす
ヨセミテでの大きなトラブル
前OS X10.10ヨセミテのリリース初期に、Wi-Fiの接続が不安定になる、というトラブルが散見されたのはご存じでしょうか。この原因となったのは「discoveryd」という、主にホスト名からIPアドレスを調べ出したり、その逆でIPアドレスからホスト名を探すときなどに使用されるバックグラウンドのサービスでした。
こうしたトラブルにより、OS X10.10.4からは、それ以前に使われていた「mDNSResponder」に戻され、OS X10.11エルキャピタンでもそのままです。今回はこうしたIPアドレスとホスト名の相互関係と、それを担っている「名前解決」という仕組みについて、順を追って説明していきます。
その名のとおり「名前で解決」
インターネットの世界では、IPアドレスという番号で通信する相手を指名します。ちょうど、電話をかけるのに電話番号で相手を指定するように、インターネットではIPアドレスを使います。私たちがよく見かけるのはIPv4の32ビットアドレスで、8ビット(1バイト)ずつ区切って「210.154.149.63」などと表記します。
最近の携帯電話なら、アドレス帳で名前を指定すれば自動的にその電話番号に電話をかけてくれます。それと同じように、インターネット上の相手をIPアドレスという番号ではなく、系統立ったホスト名で指定できるようにする仕組みがいくつか考えられてきました。この、ホスト名からIPアドレスを導き出す動作を「名前解決」といいます。