【第09回】Grope my way (暗中模索) | マイナビブックス

100冊以上のマイナビ電子書籍が会員登録で試し読みできる

ゴルフ千物語③

【第09回】Grope my way (暗中模索)

2017.05.18 | 篠原嗣典

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

魔法を信じるだろうか?
僕は信じている……

ある晴れた初夏のゴルフ場。320Y、パー4。
グリーンまではほぼ平らで、グリーンの両サイドに大きなバンカーが口を広げている以外は特に難しいことはないホール。

僕はその前のホールで大叩きをしてしまった。ラフでボールを無くしてしまったからだ。
時間が掛かってしまったので、前の組と少し離れてしまった。
「さあ、少し急ぎましょうか」
一番上手な人が言った。分かっているよ! と怒鳴りたい気分のまま足を速めてこのホールに来たのだ。

上手な人たちは、いわゆるレイアップで、ロングアイアンやフェアウェイウッドで刻んだ。
4番目は僕だった。
ドライバーを軽く打とうと思った。
結果として、刻んだのと同じ効果がある、と考えた。

少し早いタイミングで振ってしまったと反省しながらも、軽く振り切った。
ボールは綺麗な弾道で、真っ直ぐに飛んでいった。

「乗っちゃうんじゃない?」
グリーンには前の組はいなかったが、心配した声で2番目に上手い人が言った。

ボールは、まるでボーリングのレーンを1番ピンに向かって滑っていくように静かに転がりグリーンに乗っていた。
まさに、ストライクである。
パー4で1オンしたのは初めてだった。

続きをご覧いただくには、会員登録の上、ログインが必要です。
すでにマイナビブックスにて会員登録がお済みの方は下記の「ログイン」ボタンからログインページへお進みください。

  • 会員登録
  • ログイン