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ゴルフ千物語②

【第07回】It's my turn(私の番です)

2017.04.17 | 篠原嗣典

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彼らが高度な文明を築いていたことは、過去の遺跡や出土品からも間違いなかった。
惑星全域で繁殖し、いくつかの言語と共通の数を表す文字を持っていた。言語の統一は完全ではない様子だが、数を表す文字の統一には成功していたところから、数学に強い社会性を持っていたと言うのが一般的には信じられている。

彼らの文明が非常に高度だった証拠は、遊びが隅々まで行き渡ったことを示す遺跡や出土品が多く出てくるからである。学者によっては、現在の私たちの文明よりも成熟度が高いと主張しているほどだ。とは言っても、残念ながらその遊びはほとんどが解明できずに、推測の域を出ていないのが現実である。

その解明できていない遊びの中で最大の謎と言われるものが、ゴムの筒である。
あらゆる場所から出土し、元々は金属製の棒が中に入っていたことは詳細な科学的な調査で判明している。

遊びの謎が解けない理由は、彼らの文明が多くの腐食しやすい金属や木材を利用し、言語の伝達手段として繊維を再構成したものを使用していたからだ。樹脂や石材などを利用し、腐食せずに残っていたものから得る情報には限りがあった。

ゴムの筒に棒を入れて使用していたのは、樹脂製の棒が出土することからも間違いないと思われる。
また、石材で作られている出土品に棒を使用している姿が掘られた後があることから、ゴムの筒は持つ為のものだったということまではわかっている。
問題は、それをどのようにしようしたら惑星中に広がるような魅力的な遊びになるのかである。

ゴム筒にはかなり磨り減ったものがあり、それは意図的なものという説と使用によるものという説がある。
また、ゴム管には様々な模様が付けられたものもあり、その解釈も様々である。
そして、その素材も色々である。
出土数が増えるほど、ゴム筒の謎は深まった。

この惑星をかつて覆い尽くした謎の遊びは、永遠に封印されたまま終わるのかと諦めかけた時、突如として一気にその全貌が解明される発見があった。

円形の樹脂を記録媒体に使用したことは、かなり昔からわかっていた。溝に刻まれた凹凸を振動に変えて音を再生するものは、出土数こそ多くはなかったが、ほぼ解明できていた。
しかし、光学的な記録を再生する技術はなかった。どうやら映像が記録されているらしいということだけが、おぼろげにわかっているだけだった。
しかし、それがわかったのである。

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