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音楽の力③ 映像からハイレゾ音楽へ編

【第1回】音楽CD-ROMタイトルへの挑戦!

2017.03.09 | 前田融

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ある日、洋楽のディレクターから連絡が来ました。ビッグ・アーティストのCD−ROM企画を持ってきたプロデューサーが来日しているので、会議に出て欲しいということです。

そのビッグ・アーティストは、なんとザ・ローリング・ストーンズでした。企画を持ってきたのは、ピーター・ゲイブリエルのCD−ROMも仕掛けたプロデューサーです。

資金を集めるため来日していて、日本で発売する会社を探しているようで、私の会社に立ち寄ったようです。

私としては、是非日本でも発売したかったので手を挙げます。しかしセリフが多い作品だったため、日本語にローカライズするスタッフとその費用の概算を至急出さなければなりませんでした。

初めてのローカライズ作業で心配はありましたが、Directorというソフトで制作されたデータを元に翻訳とオーサリングが出来る会社を探します。

作業できる会社を見つけ、見積りを取ってようやく費用概算が出せるようになるまで、確か1ヶ月ぐらい掛かりました。そして、私にとって初となる海外アーティストのプロジェクトを進めることになります。

海外の制作会社よりシナリオとサンプル・データを送ってもらい、字幕の表示の方法をローカライズ担当の会社と決めてテストをします。最終マスターのデータを送ってもらい(当時インターネットはまだ普及していなかったので、ハードディスクで送られてきたと思います)作業を進めていきました。

1996年1月2日から他に誰もいない会社に出社して、寒い中で作業したのを今でも思い出します。

日本では、まず輸入版に日本語マニュアルを同梱して先行発売し、その後日本語字幕版を販売することにします。

部下たちと工場へ行き、輸入版に日本語マニュアルを入れる作業をパートのおばさんたちと一緒にやったのが今でも忘れられません。

このCD−ROMはゲーム仕立てになっていますが、隠されているお宝ムービー(貴重なジャムセッションなどの映像)を探す楽しみもあります。

ゲームの最後はメンバーと一緒にステージに立った目線の映像が観ることができるなど趣向を凝らしてありファンにはたまらない作品でした。

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