龍馬は、大きく首を振り、笑いながら答えた。
「前にも同じことを言われたんじゃが、わしが考えちょる国はおまんらの今の国の姿とは、だいぶ、違ごうちょるんじゃ。まず、おまんらは入れ札をしたちゅーても、士官だけでじゃろうが。そげなんは、国じゃねえぜよ。あくまでも、軍に過ぎんきに」
榎本は静かに目を伏せた。
「函館の住民は、どがいしたが?アイヌ人らもおるぜよ。それらの人間もみな、等しゅう蝦夷国民ぜよ」
「それは、俺も相考えるべきだと思う。」
歳三が龍馬の考えに賛同した。
龍馬は、さらに続ける。