【第1回】まえがき/今年やりたいこと | マイナビブックス

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ゴルフプラネット 第39巻

【第1回】まえがき/今年やりたいこと

2016.10.13 | 篠原嗣典

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まえがき

 

 2009年に書かれたものをまとめたのが39巻です。

 テーマは用具と技術です。

 

 5年前の技術論は、ほぼ現在と変わりません。ゴルフのスイング論は用具によって変化するからです。つまり、用具も大きな変革は起こっていないのです。

 広まっていく速度が遅いせいで、この本に書かれている内容が最新のものとして扱われているものもあります。時間の経過を意識すればするほど、スコアアップに結びつくゴルフの話は色々な意味を持つようになります。

 

 この年に使い出したパターは、未だにエースパターです。他に替えようがない存在です。また、少し前から使い出したハイブリッド(ユーティリティー)は、2009年に完全にバッグの中でレギュラーのポジションを獲得しました。

 5年間変わらないと書きましたが、2009年はある意味で、大きな節目だったのです。

 

 気に入っていたスパイクの鋲が廃盤になるので、それを買い溜めして使い続けるという話が出てきます。この考え方は、現在では通じなくなってきています。シューズの買い換えのサイクルが早くなり、ソフトスパイクとスパイクレスに差がなくなっていく流れを大手のメーカーが作ろうとしているからです。

 

 少しでも上手くなる情熱を結果に結びつける意味で、情報収集能力と知識は不可欠になっています。

 読んで上手くなって欲しいと願いながら書きました。たった1行でゴルフ人生が激変することがあるのもゴルフの面白さです。

(2014年3月)

 

今年やりたいこと

 

 ボーッとしていても、1年は過ぎる。

 今年最初のGolf Planetなのでピリッと締まった話をしたいのだが、特別にそう言うこともないので……新年の挨拶に代えて、ゴルフの抱負のようなものを書くことにする。

 

 色々な人がいるもので、年末年始に来たメールで3番目に多かった話題が『しばらくゴルフは出来なくなります』というものだった。

 

 株で儲けたゆとりでゴルフをしていたのか、それとも仕事がなくなってしまったのか、詳細な理由まではわからないけれど、異口同音に経済的な理由か、仕事上の理由だということなので、当たらずとも遠からずということなのだろうと思う。

 

 そう言われてみれば、年末年始の練習場は空いていたような気がするし、いくつかのゴルフ場関係者からも、突如、予約の入りが悪くなったという話も聞いた。ゴルフをできないと判断した人は結構多いのだろう。

 

 逆に、工場がたくさんあるエリアの遠いゴルフ場は、週休3日や4日、自宅待機などになっている企業の関係者が、平日にパチンコをするより、健全で安いからとゴルフをしに来る人が増えたと喜んでいる所もある。特定の地元企業用に専用の特別料金で営業しているということもあるだろうが、確かに、年末の平日に活気があるゴルフ場はあった。

 

 ゴルフが出来なくなってしまう、というのは不幸だなぁ、と同情するしかない。

 

 一昔前の私なら、出来ない言い訳をしている暇があったら、出来る方法を探せ、と切り捨てたかもしれない。でも、人生色々であり、ゴルファーも、ゴルフも色々である。出来ないことを責めることに、今は全く意味を感じない。

 

 私は私のゴルフをするだけ。Golf Planetを発行することで、最も明確になったゴルファーとしての信念の1つである。

 

 今年、ゴルフでやりたいことは自分のスタイルの確立だ。

 

 私のゴルフは、昨年の後半から復活傾向にあるが、その組み立てや考え方があやふやで、もったいなかったと反省することが多々あるのだ。どんなに復活しても、現役の競技ゴルファーだった頃のレベルまでは戻れないし、アプローチとドライバーのイップスになって弱気になった心の傷は完全には癒えていない。結果として、客観的に見て、決断が上手に出来ていないのだ。

 

 トランプで言えば、持ち札が変わっているのに戦略を変えられないようなものだ。場の流れによって、カードの強さは変わるとしても、圧倒的な強さを持ったカードで私が使えるのはパットぐらいなもので、あとは、そこそこである。それなのに、強いカードを複数持っている戦略を取ろうとして、途方に暮れたり、逆に敗戦処理のような弱気な戦略でカードを余らせたりする。

 

 もう一度、持ち札を確認し、状況に応じた勝利の方程式や勝てない場合も最上位を目指すための方法を考えたい。

 

 どうしたいと、いう理想ではなく、何が出来るのか、という現実。そういうことを正確に把握できることも、ゴルフの技術の一つである。

 

 そういうことをしっかりと出来た先に、自分のスタイルが出てくるものだ。

 

 私は昨年、禁断のパンドラの箱を開けた。

 

 2番アイアンを抜いて、ハイブリッドをバッグに入れたことがきっかけだった。この1本は、私のゴルフへの考え方を一新させた。ドライバーも、フェアウェイウッドも変えることになった。近い将来、3番アイアンも抜き、もう1本ハイブリッドを入れるつもりである。

 

 長距離を打つストロークが不安定だった証拠である。2番アイアンを打てることは誇りであり、自分のゴルフの基礎を支えるものだったが、基礎体力が落ち、使用範囲が狭まることで専門の1本になってしまっていた。

 

 ハイブリッドは結果として、最も応用範囲の広い1本になって活躍している。もう1本のハイブリッドは、更にゴルフを楽にしてくれるはずで、予感としては、私はバッグの中のクラブの本数を13本とか、12本にするような気がするのだ。

 

 それは今年ではなく、もっと先の未来かもしれないが、そのきっかけとなるのは、自分のゴルフのスタイルの確立となるだろう。

 

 1つの大きなやりたいことに付随して、色々なやりたいことが生まれる。落ち着いて、1つ1つ丁寧に実行しようと思っている。

 

 残念ながら初打ちの予定はまだであるが……

 流されず、諦めず、頑張らず、実行していこうと心に誓う年頭なのだ。

(2009年1月8日)

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