【第4回】第二章 仕事と仕事、そして仕事と - (2)
2017.02.23 | 黒詠おう美
自分用のマグカップを口に運び、ちびちびと中身を飲む。今日はもう胃がダメになるほどのコーヒーを飲んでいる佳だった。
時計は22時をまわっている。明日までの資料もなんとか目処が立ちかけ、あとは表を挿入し、最後の確認をするのみであった。そのあとに自分の業務が控えているが、これはもう明日の朝イチにまとめてやるか、そんなことをざっくりと考えている。
「ふぅ……さすがに疲れた……」
もう誰もいなくなったフロアで一人愚痴てみる。
あれから口に入れたものといえば、同僚が置いていってくれたちいさな菓子パン1つで、まだまだ夕食にもありつけていない。なんとか日付が変わる前には帰宅したい、その一心でパソコンの画面に向かっている佳だが、あまりの疲労にその集中力も切れ切れである。
「あーーーーーーー!!!」