「あのう、これは、いったい……」
「ほれ、新人! はよせにゃ、お食事タイムが終わってしまうとよ!」
オッサンに怒鳴りつけられ、俺は飛び上がった。
「机を真向かいに並べるんじゃ、そうそう、それじゃ。あっ、ミィちゃん、危ないから、あっちに行っててねえ」
周りに群がる子供たちをあやしながら、オッサンは指示を出した。俺はその指示に従い、はしっこから順に背が低い幼児用の長テーブルを真向かいにくっつけた。
つ、疲れる。
一見なんでもない簡単な作業だが、飛び跳ねてジャマをしてくる子供たちを「シッ、シッ!」と手で追い払いながらであったため、普段使わない神経を酷使した。しかも、テーブルを十二個も移動させなければならなかった。もう、へとへとだ。
そこへ、おいしそうな匂いがぷ~んと漂ってきた。
「おお、給食ができたんじゃな」