【第3回】2 - (2) | マイナビブックス

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世界はキセキで満ちている

【第3回】2 - (2)

2016.12.27 | このはなさくら

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「あのう、これは、いったい……」

「ほれ、新人! はよせにゃ、お食事タイムが終わってしまうとよ!」

 オッサンに怒鳴りつけられ、俺は飛び上がった。

「机を真向かいに並べるんじゃ、そうそう、それじゃ。あっ、ミィちゃん、危ないから、あっちに行っててねえ」

 周りに群がる子供たちをあやしながら、オッサンは指示を出した。俺はその指示に従い、はしっこから順に背が低い幼児用の長テーブルを真向かいにくっつけた。

 つ、疲れる。

 一見なんでもない簡単な作業だが、飛び跳ねてジャマをしてくる子供たちを「シッ、シッ!」と手で追い払いながらであったため、普段使わない神経を酷使した。しかも、テーブルを十二個も移動させなければならなかった。もう、へとへとだ。

 そこへ、おいしそうな匂いがぷ~んと漂ってきた。

「おお、給食ができたんじゃな」

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