私たち姉妹は、ピラミッドの近くへいくためにラクダに乗りました。もちろん、乗らなくてもいけますが、暑い中歩くよりもいいし、せっかくのことと思いラクダに乗ることにしたのです。
ラクダに乗る際には、ラクダを誘導してくれる人がいますが、私たちが乗るラクダをひいてくれたのは、なんと八歳ぐらいの男の子でした。海外では子どもが親の仕事の手伝いをするということは珍しいことではありませんが、見習いとして働くには小さすぎるような気がして、胸が痛みました。
男の子の父親らしき人は、ロバにのり、男の子の前を進み、男の子に激を飛ばします。なおさら、かわいそうに思えてしまいました。それでも、男の子は仕事を全うし、無事私たちをピラミッドの前まで導いてくれたのでした。
その日の夜、私は妹に質問を投げかけました。
「自分より小さい男の子働いていたけど、どう思う?」
「かわいそうかな」、と答える妹。
「何かしてあげたいと思う? まいには何ができる?」
妹は、「んーお勉強?」と首をかしげながら言いました。
いつも、妹は勉強が嫌いだと言っていました。でも、妹にできることは? と聞けば、「お勉強」だというのです。これは、きちんと話をする、いいチャンスかなと思いました。