【第4回】3
2016.11.24 | じゃいがも
3
目を覚ましたのは、出社時間の五分前だった。どうやら目覚まし時計の電池が切れていたらしい。慌てて跳ね起き、クローゼットへ飛びつく。荒々しく扉を開け、スーツを取り出し、急いでズボンを穿こうとするが、足がつかえ、前のめりに倒れる。ドスン、という鈍い音が部屋に響く。起き上がろうとした雄二の鼻から、ポタポタと血が滴った。鼻血を手で拭うと、急に笑いが込み上げてきた。雄二はそのまま大の字になり、声を上げて笑った。
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2016.11.24 | じゃいがも
目を覚ましたのは、出社時間の五分前だった。どうやら目覚まし時計の電池が切れていたらしい。慌てて跳ね起き、クローゼットへ飛びつく。荒々しく扉を開け、スーツを取り出し、急いでズボンを穿こうとするが、足がつかえ、前のめりに倒れる。ドスン、という鈍い音が部屋に響く。起き上がろうとした雄二の鼻から、ポタポタと血が滴った。鼻血を手で拭うと、急に笑いが込み上げてきた。雄二はそのまま大の字になり、声を上げて笑った。