【第9回】綱右衛門(4) | マイナビブックス

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【第3回】綱右衛門(4)


検査が一段落し病室へ戻ってきた時、いの一番に、私は看護師さんに、勤務先の人を誰でもいいから呼んでくれるよう頼みました。けれど、昼をすぎても誰も現われません。無理もありません。最少のスタッフで運営しているからです。しかも、破れた天井を補修するという余計な仕事で手が放せないのでしょう。しかし、もし何も知らずに、綱右衛門があの空中渡りを始めて観客の頭上に来たところで、支え切れなくなった柱が傾き、客席へ落下したらどうなることでしょう。

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