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ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション3

【第1回】プロフェット 岸本良久 ―(1)

2016.06.03 | 酒缶

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プロフェット 岸本良久

 

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プロフェット代表取締役。くにおくんの生みの親で、アークシステムワークスの「熱血硬派くにおくんすぺしゃる」公式サイトの質問コーナーでくにおくん25周年を盛り上げる熱血番長。代表作は「フィーア」(iOS、Android)、『熱血硬派くにおくんすぺしゃる』(3DS)、『熱血硬派くにおくん』(AC、FC)、『ダブルドラゴン』(AC、FC)など。

 

取材日 :2012年1月20日

取材場所:アンビット(※1)打合せスペース

(※1) アンビット
任天堂系ゲームの情報誌「ニンテンドードリーム」の編集を行っている編集プロダクション。

 

1.自分がくにおくんの役者になれる

2.2頭身のキャラが定着されちゃった

3.グレていた頃をそのままゲーム化

4.生きるか死ぬかの緊張感が良かった

5.5年で100本以上関わっています

6.初めてゲームを作った気になった

7.人が喜んでくれる時間が大事

 

 

1.自分がくにおくんの役者になれる

 

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酒缶 年末に発売された『熱血硬派くにおくんすぺしゃる』(※1)が、ボクの心に刺さったのでお話をお訊きしたいと思って、今回取材をお願いしました。

(※1) 『熱血硬派くにおくんすぺしゃる』
2011年12月にアークシステムワークスがニンテンドー3DS向けに発売したアクションゲーム。くにおくん25周年記念作品。
公式サイト http://kuniokun.jp/special/

岸本 はい。

 

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酒缶 今作は、くにおくん25周年作品ですけど、今回の岸本さんの役割は?

岸本 最初の企画概要の作成関係、シナリオ関係が作業的には一番多かったですね。

酒缶 監修もされているようですけど?

岸本 そうですね。くにおくんのゲームになっているか、というところも見ています。

酒缶 くにおくんというと『熱血硬派くにおくん』『熱血高校ドッジボール』があって、その後、いわゆるダウンタウン系やスポーツ系のタイトルが沢山発売されていますけど、岸本さんがメインだったのは、1作目の『くにおくん』(※2)と2作目の『ドッジボール』(※3)ですか?

(※2) 1作目の『くにおくん』
正式名称は『熱血硬派くにおくん』。1987年にテクノスジャパンがアーケード向けに発売した格闘アクションゲーム。
バーチャルコンソール http://www.vc-arcade.d4e.co.jp/gametitle/kuniokun/

 

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(※3) 2作目の『ドッジボール』
正式名称は『熱血高校ドッジボール部』。1988年にテクノスジャパンがアーケード向けに発売したスポーツアクションゲーム。

 

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岸本 そうです。僕がメインだったのはそっち系です。

酒缶 『ドッジボール』の頃って、まだサブキャラが確立されてない時代ですよね。

岸本 元々、アーケードなので、設定を乗せても意味がなかったんです。

酒缶 コンシューマになった時に設定が付きましたけど、その辺りの設定も岸本さんが付けたんですか?

岸本 ファミコンの『ドッジボール』は吉田(※4)が担当してます。アーケードは全部私がやっているのですが…。

(※4) 吉田
当時、テクノスジャパンに在籍していた吉田晄浩氏のこと。

酒缶 その頃からくにおくんにはいろんな方が関わっているんですか?

岸本 後輩に引き継いでいったんです。テクノスジャパンは僕がいた最後の頃には70人くらいになっていて、外注も使っていましたし、宣伝も私がやっていたので、1本1本は作っていられなくなっちゃったんです。

 

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酒缶 今回、『くにおくんすぺしゃる』を作るにあたって、過去のくにおくん関係の作品をプレイされたりしました?

岸本 そんなにプレイはしてないのですが、初代の『くにおくん』とは頭身が違うので格闘ゲームにはならないということは作る段階でわかっていたので、シナリオを考えているときに、ダウンタウンシリーズ(※5)の路線と私の『くにおくん』の世界を混ぜた感じになるな、と頭の中で思っていました。

(※5) ダウンタウンシリーズ
1989年にテクノスジャパンがファミリーコンピュータ向けに発売した『ダウンタウン熱血物語』に始まる、2.5頭身のキャラクターが活躍するシリーズ。

 

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酒缶 今作もストーリーがあるので、どうしても他の作品との整合性の問題が発生しますよね?

岸本 ダウンタウンシリーズは、設定を関本(※6)、遊びの部分を吉田が考えて作り上げた世界観なんです。

(※6) 関本
当時、テクノスジャパンに在籍していた関本弘之氏のこと。

岸本 彼らの作り上げた世界観は大事にしたいので、今作では極力彼らの世界観を入れずに、『熱血硬派』の設定でストーリーモードのシナリオを作りました。キャラのデザインがダウンタウン系なので、遊びの部分はダウンタウン系の要素が入っているような仕上がりになっていますけど。

 

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(C)Million Co.,Ltd./ARC SYSTEM WORKS

 

酒缶 ストーリーモードは基本的に岸本さんの熱血硬派の世界観ですけど、バトルロイヤルとか他のモードでは、設定がごっちゃまぜになっていますよね。

 

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(C)Million Co.,Ltd./ARC SYSTEM WORKS

 

岸本 ごっちゃまぜですね。まぁ、『熱血格闘伝説』(※7)に近いんですけど。

(※7) 『熱血格闘伝説』
1992年にテクノスジャパンがファミリーコンピュータ向けに発売した格闘アクションゲーム。

 

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酒缶 バトルロイヤルには、時代劇(※8)や運動会(※9)をモチーフにした面がありましたね。

(※8) 時代劇
正式名称は『くにおくんの時代劇だよ全員集合』。1991年にテクノスジャパンがファミリーコンピュータ向けに発売した格闘アクションゲーム。
バーチャルコンソール http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_dtj/

 

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(※9) 運動会
正式名称は『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』。1990年にテクノスジャパンがファミリーコンピュータ向けに発売した格闘要素のあるスポーツアクションゲーム。
バーチャルコンソール http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_dtd/

 

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酒缶 初代の『熱血硬派』のしんじ(※10)やさぶ(※11)は元々2頭身のキャラデザインがないから今回新規にデザインしていて他のキャラと馴染んでいましたけど、みすず(※12)だけ何か違和感がありました(笑)。

(※10) しんじ
『熱血硬派くにおくん』のステージ2のボス。特攻隊の親衛隊長。後ろ回し蹴りが得意。

(※11) さぶ
『熱血硬派くにおくん』のステージ4のボス。三和会の若頭。ピストルで攻撃してくる。

(※12) みすず
『熱血硬派くにおくん』のステージ3のボス。スケ番グループの女番長。襟掴みビンタが強烈。

岸本 みすずだけファミコンの絵を持ってきたので…。

 

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酒缶 「わっ! みすずはみすずのままだ!」って驚きました。

岸本 ただ、デカいから許して、という感じです。

酒缶 ミッションモードの「ミッション46 大怪獣」で、巨大なみすずが出てくるのが、ボクの中で大ヒットだったんですよ(笑)。ミッションモードの他のミッションは世界観の範囲に収まっていましたけど、あそこだけドカーンとデカキャラが出てきて。

岸本 多分、あれはドットのスケールだから許されたんですね。リアル系だとウソは出来ないけど、2頭身なら何でもありの世界なので。

酒缶 ストーリーモードには今回、新キャラとしてまどか先生(※13)が出てきてましたけど…。

(※13) まどか先生
『熱血硬派くにおくんすぺしゃる』で初登場したくにおくんたちの担任教師。今作ではくにおくんとプレイヤーに散々困らせられる。

岸本 実は25周年の仕掛けで実写映画を作る予定がありまして…こけちゃったんですけど。『くにおくん』を映画化するにあたって役者を考えていて、まどか先生役も決めていたんですよ。

酒缶 なるほど。まどか先生はメディアミックスも含めての新キャラだったんですね。

岸本 その思いが結構強かったので、開発が長髪で地味な服を着たキャラクターを作っていたときに、「まどか先生役を予定していた芸能人の方のイメージにしてくれ」(※14)と(笑)。

(※14) 「まどか先生役を予定していた芸能人の方のイメージにしてくれ」
ゲームをプレイして、どの芸能人のイメージか想像してみよう!

 

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酒缶 あと、マドンナのみさこ(※15)も出てきますね。

(※15) マドンナのみさこ
ファミリーコンピュータの『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』で初登場し、ニンテンドーDSの『くにおくんの超熱血!サッカーリーグぷらすワールド・ハイパーカップ編』では、本体メニューに表示されるアイコンにも描かれているキャラクター。

 

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酒缶 今作のメインの登場人物は『熱血硬派くにおくん』のキャラが多い中で、みさこが出てくるのが気になったんですけど、何か意味のあるキャラなんですか?

岸本 みさこは元々『サッカー編』(※16)の時のマネージャーで、『くにおたちの挽歌』(※17)にも出ているキャラです。

(※16) 『サッカー編』
正式名称は『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』。1990年にテクノスジャパンがファミリーコンピュータ向けに発売したサッカーアクションゲーム。
バーチャルコンソール http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_nkds/

(※17) 『くにおたちの挽歌』
正式名称は『新・熱血硬派 くにおたちの挽歌』。1994年にテクノスジャパンがスーパーファミコン向けに発売した格闘アクションゲーム。オープニングでいきなりくにおとりきが少年院に入れられてしまう衝撃作。

 

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酒缶 じゃあ、『すぺしゃる』の中で出会いの場を作ったんですね。あと、熱血高校のゆうやや花園高校のわたるは、今作で初めて出てきたキャラクターですよね。

岸本 そうです。

酒缶 岸本さんが作るキャラクターは名字がなくて名前だけなんですけど、これは岸本さんの流儀なんですか?

岸本 流儀と言うよりは、とりあえず「こいつは性格が弱そうなので、わたるにしよう」という感じで。

酒缶 開発スタッフにわたるさんがいたら困っちゃいますよね(笑)。

岸本 私の中のイメージなので…過去のクラスメイトとか、知り合いの名前から持ってきているのが半分以上です。

酒缶 ダウンタウン系には名字のキャラが沢山出てきますけど、差別化していたりしますか?

岸本 なるべくダウンタウン系の世界とは別の空間の『熱血硬派』の世界観にしています。

酒缶 岸本さんの作るキャラクターには、フルネームという概念がないですよね。

岸本 元々、くにおくんも別に「くにおくん」じゃなくてもよかったんですよ。でも、キャラクターなので名前を付けなくてはならないため、名前を付けました。プレイすると、主人公になりきるじゃないですか。フルネームだと白けちゃうんですよ。そのキャラクターが固定化されちゃう。例えば、鈴木という人なら「鈴木くにおだ!」とか、そういったイメージで自分がくにおくんの役者になれるじゃないですか。

酒缶 なるほど。そういう理由で全部名前なんですね。

岸本 実際、りき(※18)は関本が鮫島と付けちゃったんですけど、本当は「りき」だけなんです。

(※18) りき
『熱血硬派くにおくん』のステージ1のボス。花園高校の番長でマッハパンチが得意。くにおくんのライバルとして、時にはパートナーとして多数の作品に登場し、2012年には『りき伝説』で主演を務めた。
『りき伝説』公式サイト http://kuniokun.jp/riki-densetsu/

 

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岸本 本当は名字がなくて「りき」は「りき」なんです。元々の『くにおくん』も、りき、さぶ、みすず辺りは名前を付けてましたけど、主人公だけ完成するまで名前を付けてなくて、テクノスジャパンの瀧邦夫社長の名前からもらいました。瀧社長はちょっと恐い方なんですけど、情のある熱い方なんですよ。

酒缶 自分の名前を付けてみようという風には思わなかったんですか?

岸本 それはないですね。「くにお」とか3文字がいいんですよ。私は「よしひさ」で4文字なので。名前が3文字だと締まるんですよ。

 

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