次の日はさらに憂鬱だった。自分の身代りに他人を痛い目にあわすのだ。それもたった千円で。こうなりゃおこづかいみんな払うか。2~3万円は貯まってるはず。いや、そんな問題じゃないんだって。お金じゃないよ本当に。でも、本当に彼がいじめを解決するエキスパートだったら……。堂々巡りが始まった。助かるものなら助けてほしい。だけど本当に大丈夫なのか。一日中悩んだ。そして放課後になるころ僕は決断した。一回だけ彼に託してみようと。それでだめならおこづかい全額払って手を引いてもらおうと。
ダニ原は僕が指定するまでもなく、僕を昨日の公園に引っ張り込んだ。今日はデジカメを持っている。今度はあの辱めを記録するつもりだ。こうなれば僕はダニ原を殺して自分も死のうかという気持ちになった。