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崖っぷち留年娘と大学を目指したママの407日間戦争

【第0回】登場人物・プロローグ

2016.01.26 | 森之宮京子

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【登場人物】

私…(42) 結衣(ユイ)の母

結衣…(18) 私立女子高に通う落ちこぼれのひねくれ娘。

塾長…(落ちこぼれ)予備校の塾長

アシダ先生…某美術大学受験予備校の小論文講師・現役東京芸大大学院生

結衣の父

結衣の祖母

結衣の担任…大学卒業したばかりの新卒教師

結衣の学年主任

某有名予備校担当者

ほか
 

 

【プロローグ】


自分の子供が落ちこぼれだとわかった時、私は怒りにまかせて子供を叱りつけました。

いつも言っていたよね。「遊んでいないで勉強しなさい!」と。

勉強がわからなくなっている子供は、大概、勉強が嫌いです。

親や先生の言うことを聞いて、机に向かうなんてしない。

遊んでる方が楽しいに決まっているのです。

かつて。成績が振るわない私に、母は言ったものです。

「こっちは大学に行かせてやると言ってるのに、勉強が出来ないんだからしょうがない」と。

本当にしょうがなかったのでしょうか?

勉強がわからなくなっている子供を怒った瞬間、失望した瞬間、親は子供の敵になってしまいます。

子供の事を考えて怒っているにもかかわらず。

しかし、子供は親が思うほど、気楽ではないのです。

心の中では自分がさぼって落ちこぼれたという現実に、どうしたらいいのかわからなくなっている子もいるのです。

「どうせ、あたしなんか」

やる気を失い、希望すら持てずに、ひねくれている落ちこぼれ。

ただ、勉強がわからない、それだけの理由でスタートラインにも立てず、どうしたらいいのかわからないまま、助けも求められずに、崖っぷちにぶら下がっていたのです。

それが、私の一人娘の結衣(ユイ)です。

結衣が高校二年の冬のこと。

担任から突然、突きつけられた「留年警告」

その時点で偏差値34

私が現実を知った時、結衣はまさしく学校一の落ちこぼれだったのです―。

これは、ひねくれ娘と母が共に戦った1年半の大学受験の物語。

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