【第00回】はじめに | マイナビブックス

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昭和流行語グラフィティ 第二巻

【第00回】はじめに

2016.01.26 | 現代言語セミナー

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はじめに

時代が「平成」に移り、「昭和」が過去という歴史の序曲を奏しはじめた頃、 過ぎし日の一つ一つの出来事を惜しむかのように、様々な出版物およびTV番組によって「昭和」を主人公に膨大な数の物語が産みおとされた。やがて平成も3 年を数える頃になると、あれほど昭和を懐古し、熱狂した人々の関心は、 急速に薄らぎ始めていった。 「昭和」は既に消費し尽されたのだろうか。湾岸戦争で再び第二次世界大戦下の悲劇が再演されかかったというのに、昭和を忘却できるのだろうか。本書はそん な疑念を根底に抱きつつ成立した。従って、本書では歴史概念の羅列や雰囲気(イメージ)といった暖昧なヴィジュアル性を排除し、より具体的な記述、即ち昭 和を生きたマジョリティーが日々意識し、活用した〈昭和の言葉〉を凝集したものである。

「昭和」を元年から追い、往時を再認するに ふさわしい言葉を選択し、64年にわたる時系列を辿れるよう編集したのが本書『昭和流行語グラフィティ』である。〈キーワード〉の選択にあたっては、数多 ある資料のうち、もっとも人口に膾炙(かいしゃ)したもの、即ち新聞によるものが多い。しかし、最終の選択においては、 たとえば頻度数といったデジタルな数字至上主義を避け、当現代言語セミナーのアナログ的選択性に拠って決定した。
昭和をその始まりから生きた読者 には、懐しみを。また昭和末期に生まれ、 青春を平成の世において謳歌する読者においては、生きた歴史を。本書が広範に読まれたなら、編者にとってはこの上もない喜びである。 なによりも本書が 「昭和」という大いなる時代へのオマージュとなることは間違いのないことである。

平成3年10月

現代言語セミナー

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