ある木の話
その人がゴルフ場を作ることになったときに、秘かにコースの中で一番標高が高い斜面に米国から1本の木を輸入して植えた。
その木は、従業員の間だけのさり気ないシンボルツリーとなった。
春に一斉に葉が出て花が咲き、小さなクルミのような実をつけて、秋になると葉を落とす。そういうことが何十回も繰り返された。
その木は、そのゴルフ場に起きた全ての出来事を見守ってきた。
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春に一斉に葉が出て花が咲き、小さなクルミのような実をつけて、秋になると葉を落とす。そういうことが何十回も繰り返された。
その木は、そのゴルフ場に起きた全ての出来事を見守ってきた。