【第3回】近づきすぎてダメになる例 | マイナビブックス

100冊以上のマイナビ電子書籍が会員登録で試し読みできる

ゴルフプラネット 第15巻

【第3回】近づきすぎてダメになる例

2016.08.22 | 篠原嗣典

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

近づきすぎてダメになる例

 

 その人といると時間が経つことを忘れてしまう……

 恋愛相対性理論によれば、相手への想いと時間の長さは反比例関係するから、時間が短く感じた場合には、少なくとも恋している自分を自覚した方が良い。その状況を望まない場合は、どの疾病にも共通するが、初期段階の発見と早期の治療が重要である。

 

 何事にも適度な距離というものは必要だ。

 同じ仕事でも、公私の差がないほうが成果が上がる場合と、プライベートと仕事をハッキリ分けていたほうが成果が上がる場合があるし、人間関係でもそういう例が色々とある。

 

 ゴルフの場合は距離というファクターは様々な形で重要である。

 

 残りの距離が100ヤードならかなりの確率でグリーンに乗るのに、90ヤードになると急激に苦手になるというような例は数限りない。

 この場合は、近すぎることと同じくらい、遠くなることの問題もあるので、近すぎてダメになる例としてはイマイチかもしれない。

 

 そこで、近すぎてダメになる例でゴルファーにとって深刻なものが今回のテーマ、球と体の距離である。

 

 アドレスした時に、球と体には距離がある。

 番手によっても違うが、上達するには、番手ごとに一定の距離を体が知っている必要があることは書くまでもない。

 

 球と体の位置を安定させる為の古来からの方法は、グリップエンドと体の間に拳骨がいくつあるのが良い、とか言うものがある。

 この考え方自体に問題はないが、プロゴルファーを見ていると、実に様々な距離があり、正解が個々に用意されている予感を感じて、途方に暮れるのである。

 

 タイプによって様々な正解があることは否定できないが、固定することはスイングを固めることの第一歩であることは間違いないので、まず意識するのは距離を一定にすることであろう。

 

 ところが、科学は時として神様の意地悪なメッセンジャーと化す。

 

 タイガーの飛ばしの秘訣が左手の使い方にあるという研究が発表された。

 詳細なことは個々に勉強していただくとして、単純に書くとトップからインパクトにかけて左手が円運動の中心に限りなく近い所に引き寄せる動きをすることというのが結論である。

 ある程度ゴルフスイングに精通し、科学的なセンスがある人であればイメージとして理解できる話である。

 

 左手を引き寄せてインパクト迎える方法を検証すると、球と体が遠いのがマイナス以外の何ものでもないとわかってくる。飛ばす為には、人によっては球と体の距離を近付ける必要がある。

 

 ところが、球と体の距離を近付けるのは限界がある。

 近すぎてダメになるのである。

 

 それでも飛距離という魅力的な誘惑に勝てる人は少ない。

 適度な距離を見出せるのか?

 ドキドキしながら、挑戦するのも楽しいものだが……。

(2003年1月23日)

続きをご覧いただくには、会員登録の上、ログインが必要です。
すでにマイナビブックスにて会員登録がお済みの方は下記の「ログイン」ボタンからログインページへお進みください。

  • 会員登録
  • ログイン