【第6回】風は南から | マイナビブックス

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ゴルフプラネット 第14巻

【第6回】風は南から

2016.09.13 | 篠原嗣典

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風は南から

 

 高校生の時、暇な授業中に小説を書いていた。滅茶苦茶に大人風に海外の古典を読んでいた同級生の女性をギャフンといわせたかった、というのがその理由である。身の程知らずである。

 

 その子に恋愛感情は全くなかった。ただ、孤高の人を演じているような彼女とコミュニケーションを取りたかっただけだった。数点書いた中で、彼女が唯一、まあまあの出来だと誉めてくれたもののタイトルが、風は南から、だった。あなたは究極の快楽主義者だわ、と彼女はニヒルに言った。

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