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ゴルフプラネット 第13巻

【第2回】ゴルフ場の予約

2016.08.09 | 篠原嗣典

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ゴルフ場の予約

 

 統計的な裏付けはないが、メールが来る範囲で考えると、読者のうちの7割がゴルフ歴10年未満である。つまり、バブル以後のゴルファーが7割を占めているのである。

 

 バブル経済が日本のゴルフに与えた影響をマイナス面ばかり語るケースが多いが、個人的には、プラス面も非常に多かったと思っている。

 

 例えば、平社員がゴルフをすることが普通になったのは、バブル経済の恩恵である。それ以前は、課長職以上、または、それと同等の社会的な地位にいる人だけの特権というムードがゴルファーの条件のように言われたものだ。

 バブル経済のお陰で、国内のゴルフは完全に大衆化したという分析は、まずは、用具の業界で定着し、その後、会員権業界、最後に、ゴルフ場がバブルがはじけてから慌てて認識したのだ。

 

 いずれにしても、バブル以降にゴルフを始めたゴルファーは増加している。

 様々な分析があるが、最近5年間にゴルフを始めたゴルファーを別に分類する考え方が出てきている。単純にバブル以降という分け方では、特徴を言い表せない新しいゴルファーということだと思えば、多くの人は納得する話である。

 

 というのは、バブル以降ゴルフを始めたと言っても、1997年以前はゴルフを覚える形態が、昔からの伝統的な師弟制度のようなシステムを良しとしていた。

 ゴルフをする先輩、多くの場合、職場の上司に指導を仰ぎ、その弟子としてゴルフを覚えていくのが普通だった。

 結婚式の仲人と同じだと考えるとわかりやすい。ちなみに、結婚式に仲人をたてない方法も1990年代に市民権を得ている。

 

 1998年以降、急増するのが、師弟関係ではなく、友人や仲間に指導されてゴルフを始めるゴルファーである。

 このパラダイムシフトに問題がある訳ではない。師弟関係の良さもあるが、それが絶対だというものではない。

 

 しかし、困ったこともある。

 指導するゴルファーが未熟だった場合に、テクニカルな部分は後付でもどうにかなるが、常識は最初に間違って覚えると後からではなかなか修正できないものだからだ。

 

 最近、最も気になる問題点は、ゴルフ場の予約に関することである。

 

 インターネットで予約が出来る事を始めとして、予約を埋めたいゴルフ場はとにかく予約を埋めることに翻弄されている。

 ゴルファーにとっては、簡単にいつでも予約が出来る環境は歓迎すべきものである。そしてそれは、ゴルフ場にとっても良いことであるはずである。

 ただ一つ、ゴルフ場の予約にはキャンセルを安易にしないという暗黙のルールが存在することを双方が理解していることが前提である。

 

 安易なキャンセルがゴルフ場を荒らしている。

 弱い立場であるゴルフ場は、昔のようにキャンセル代を請求したりは出来ない(しているところもあるらしいが、それはごく一部)。

 

 簡単に予約が取れることを良いことに、複数のゴルフ場に予約を入れて直前で一つに絞ることをゴルフ場予約名人の必殺技だと自慢気にメールしてくる読者もいる。

 読者をメールで諭しても、誰にも迷惑を掛けていない、と開き直る。ゴルフ場だけではない、そのお陰で予約が取れなかったゴルファーもいる。十分に迷惑を掛けているのである。

 

 禁止されていなければ何をしても良いという発想は、誰も見ていなければ平気で不正する恥知らずと同じである。

 

 ごく簡単な話だ。

 ゴルフ場の予約には責任を持つ。

 どんなに時代が流れようが、どんな人からゴルフを指導されようが、関係ない不変のゴルファーの基本である。

(2003年1月14日)

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