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ゴルフプラネット 第6巻

【第3回】最近のパー5に関する考察

2014.12.15 | 篠原嗣典

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最近のパー5に関する考察

 

 最近のドライバーは飛ぶ。あるプロと話したときにも、そんな話が出た。足を揃えて、不自由な状態でボールを打たしても、軽く200ヤードも飛んでしまうクラブがゴロゴロしていると。

 

 昨年から、パー5のティグランドで、前の組がグリーンが空くのを待っているシーンを見ることが多くなったと思っていた。原因はクラブの性能アップであろうことは間違いない。

 

 設計家は、一応430ヤード以上あればパー5としてそのホールを設計することを通例とされてきた。実際は、打ち下ろしている場合はパー4としたりするので、一概にホールの長さだけを基準にはしていないが、国内コースの場合は500ヤード~550ヤードのパー5が多いといえる。

 

 実際には、図面上で引くプレー線の合計がホールの距離であるから、ドッグレッグのホールなどでは単純計算より短くなるケースが多々あるのだが、ドライバーの飛距離は250ヤードですという読者も少なくないので、2オン可能ホールは450ヤード+アルファということになる。

 

 良いショットが2回続いた場合には2オン可能なパー5を18ホールで2つ入れるという考え方は、オーガスタナショナルをB・ジョーンズと共に設計したA・マッケンジーが自著の中で唱えてから、現代まで基本的な概念とされてきた。そんな背景があるので、国内のコースも500ヤード前後のパー5がたくさんある。

 

 一昔前までは、パー5での2オンは飛ばす人の専売特許であり、かつ、それなりの腕前でなければ難しいものとされてきた。しかし、現在では先程も書いたように、かなり多くの人に可能性があるものになったのである。

 

 では、2オンして楽々バーディという憧れのパー5攻略はできているのかといえば、答えはNOである。短いパー5にはそれなりの難しさがあるからである。例えば、グリーン手前に池があったりするパー5が当てはまる。些細なミスが大怪我になるような仕掛けがあるのが、短いパー5の面白さなのである。

 

 パー5の第1打を、ショートカットできるホールは少なくない。パー5は設計上も用地などの問題でドッグレッグにしやすい傾向があるから当然のことなのだが、簡単なショートカットは少ないのでリスクをやはり背負うことになる。

 

 ドライバーがいくら飛んでも、2打目に使う長いクラブの精度と飛距離がしっかりしていなければ2オンする楽々ゴルフはできない。私は昔から、アイアンで狙える距離で、かつ、ボールのライが良い場合だけ2オンという選択肢を出しても良い条件としていた。

 

 ドライバーが飛ぶからチャレンジしたいという気持ちは痛いほど分かる。しかし、多くの飛ぶようになった人の短いパー5の平均スコアは、今ほど飛ばなかった頃より悪くなっているような気がしてならない。一度、冷静に自己分析してみると良いと思う。

 

 ただし、レイアップすると平均スコアが良くなるという保証はどこにもない。それもゴルフの面白いところである。挑戦し続けるのも勇気なら、余裕を持ってネクストに賭けるのも勇気である。

 

(2001年1月24日)