【第3回】解釈 | マイナビブックス

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解釈

 

地球の上に立っている
じっくりとそれを味わってから
また風の中を歩きだした
道路に配置された「いのち」に
つぎつぎに足をひっかける
さいごは人間の子
はげしく熱を出している
熱を出しているが泣かない
泣かないが狂暴な表情でぼくを睨みつける
何がとりついたのだろう
手には包丁、その刃はすでに血を吸っている

やるか、やられるかだ
気のふれた猫を殺すようにその子を始末して
しめった小屋に入り
埃をかぶったテーブルの上の缶のふたを
さんざん苦労してあけるが
中に何も入っていない
といういやな夢をみた
年をとり
もっとも初歩的な暗号の
解釈にも手間どっている

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