まえがき
2012年の私は大嫌いだったはずの、人にゴルフ教えるコーチとしても活動しています。ジュニアから大人まで教え子は30人を少し超えます。
ベストスコアを比較して進歩しない教え子もいますが、最も進歩した教え子は1年間で31打もベストスコアが良くなりました。
2000年で技術の木曜日を書いている自分は、根幹の部分は同じですが、技術を教えるという広い意味では未熟だと恥ずかしくなります。
2000年の時点で、競技ゴルフから引退して7年ぐらいしか経っていないので、目線が競技ゴルフの尖った世界を向いています。
だからこそ実戦的な秘訣みたいなものを好んで紹介しています。12年経っても、高いレベルを目指している人であれば十分に有効で、意味のある内容になっています。
現在の私であれば、伝わらないと諦めてしまうようなこともありますが、段階を踏まずに核心に切り込むことも、正解なのかもしれないと読み返しながら考えてしまいました。
ゴルフはスコアだけのものではありませんが、スコアを切り離して開き直ることが正しいとも言い切れません。
どうせやるなら少しでもスコアが良いほうが楽しいと考える人から、貪欲にスコアを向上させる熱意がある自覚を持っている人まで、広くゴルファーに楽しんでもらえれば幸いです。
(2013年2月)
●アドレスを考える(1)
アドレスを作れるか……
アドレスは好スコアを生むための基本だが、意外に注目されない盲点でもある。
考えて欲しい。1度の狂いは200Y先での5Y。目標に対して左右20Y程度のブレの中にボールを入れるためには許される誤差は8度しかない。8度と言えば、上級者用のドライバーのロフト角程度しかない。スタートが狂っていれば、どんなに良いボールを打ってもその誤差の中にボールを打てるわけがない。
精度を上げる第一段階はアドレスだ。
全ての番手で同じアドレス、または基本になるアドレスをマスターできれば、ミスショットの確率を減らすことが可能である。良いショットが良い結果になるには、方向に合ったアドレスが必要である(8度を狙えるアドレスが)。
家でも簡単に出来る方法は鏡で正面・左右から形を確認することである。どんな形が良いかは紙面の関係で全ては書けないが、オススメはプロの形を真似てみることだ。
そして、完成の基準は安定度。
アドレス状態でどの方向から押されても倒れないくらいの安定度を目指そう。良いアドレスは絶対的な安定度を持っている。フラフラしてしまうアドレスは、フラっとしただけで15度程度の誤差を生んでしまう。
もし、あなたが一度もアドレスを意識したことがないのなら、早速クラブなしでもアドレスが自然に出来るように練習するべきである。また、自信のある方もアドレスを意識することでボールのコントロールが格段に変わってくることを実感して欲しい。
(2000年2月10日)