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ゴルフプラネット 第1巻

【第1回】まえがき/川奈ホテルゴルフコース 富士コース

2015.02.02 | 篠原嗣典

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まえがき

 

 2000年の1月に読むゴルフの第一人者だった夏坂健氏が亡くなりました。その2年前の1998年からゴルフのメルマガを発行したくて準備をしていたので、失ってしまった悲しみを埋めるような気持ちで発行したのが Golf Planet でした。

 

 それから12年が経ち、2012年現在も書き続けています。

 

 今回はコースの話が中心になります。2000年の時点で考えていたことや信じていたものと、現在の認識は違う部分もありますが、この頃のゴルフコースの事情などもわかって面白いと思います。

 

 ゴルフが好きだという気持ちをゴルフのプレーだけで埋められるゴルファーは皆無です。その隙間をゴルフの知識で埋めてこそ、ゴルフを本当に楽しむことができるのです。

 

 本書を読み、ゴルフの隙間が埋まることでゴルフがより好きになる人が1人でも増えて、もっと隙間を埋めたいと思ってもらえれば幸いです。 

 

 

●川奈ホテルゴルフコース 富士コース

 

 国内で最も有名で憧れのコースと言っても過言ではないコース。フジサンケイが5月に行われることでも有名で、日本では数少ないシーサイドコースである。また、エピソードも本が書けるほど量と質が揃っている。

 

 牧場にする予定で購入した土地だが、あまりに起伏があるので牧場を断念したというエピソードが証明されるように高低差は強力にある(あまりの起伏で電動カートがつい最近まで採用されていなかったことも有名。当然、それまではキャディがバッグを担いでくれるというトーナメントプロのような経験が出来た)。

 

 TVなどで見ている本グリーンは常時使用しているわけではなく、小さなおまけのようなサブグリーンがあることはあまり知られていない。それ故に、積立までして一生に一度とコースに出向いてみたものの、憧れの本グリーンを横目にサブグリーンでプレーするという悔やんでも悔やみきれない思い出を持っている人が続出している(トーナメントの時はホールが一つずつずれているのも、プレーしないと分からない話)。

 

 通常はホテルの宿泊者しかプレーできず、敷居の高さもダントツである。食事はプレー代金とセットになっているのだが(現在未確認)、それとはを知らずに安いメニューを頼んでしまうことが、川奈初心者の悲しい性と言われる。

 

 プレーに関して言えば、風がなければ美しく楽しいコースだが、風が吹くと勇気と決断が連続する難しいコースに豹変する。グリーンが高麗芝で遅く硬いので経験がないと苦労させられることになる。

 

現在まで約10回程度プレーしたが、気合いを入れて調整してからプレーしているせいで楽しい思い出が多く、お婆さんのキャディに祖父を知っていると言われて驚いたこともある(祖父がその昔、コースデビューしたのは川奈だったらしい)。

 

 あらゆる斜面からのショットと、ボールの落とし場所を考えることが出来るレベルにあるかをチェックするには、最適のコースであると同時に、スコアを考えず雰囲気や景色を楽しむために出かける価値のある数少ないコースである。

 

 通な情報としては、設計図だけにある19番目のパー3がある。「川奈の富士コースって本当は19番ホールがあったんだよ」なんて言えたら、ちょっとかっこいい。

 

(2000年2月15日)