【第3回】プロの不動産屋の指南 その2 | マイナビブックス

100冊以上のマイナビ電子書籍が会員登録で試し読みできる

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

12 プロの不動産屋の指南 その2

 

「もし本当に自分でも大家さんになる事が可能で、賃貸収入を得る事ができるなら、是非その道に進みたい」、彼女はそう考えた。そして思いつく限りの質問をぶつけた。和田も誠心誠意の回答をした。
「普通のOLでしかない自分に、銀行は本当にお金を貸してくれるのか?」
「OLの収益物件購入に対しての資金も銀行は融資をする。むしろ、自分の移住用住宅に融資をして、その後何らかの事情で、OLとしての収入を失い、ローン返済が厳しくなるリスクを考えると、必ず賃料が入ってくる収益物件への融資を好む金融機関も多い」
 
「平日の昼間は会社があり時間を取れないが、大家さんができるのか?」
「全く問題ない。管理会社に任せておけばすべてしてくれる。」
 
「管理料が高いのではないか?」
「賃料の5%程度。先の例なら月々5000円程度しかかからない。」
 
「先ほど聞いた2つのリスクはどう解決するのか?」
「投資なので100%安心とは言い切れないが、周辺の賃料相場を念入りに調べ、そこからマンションの買値を逆算する事、購入前にマンションの管理組合に対して、修繕積立金の内容、今後の修繕計画をヒアリングする事、これらの行為によって、かなりのリスクは軽減する」
 
 和田の言葉はかなえちゃんの心に響いた。まだまだ半信半疑ではあったが、もし本当に自分が大家さんになれて、賃料収入を得る事ができるなら、凄い事だと思った。
 賃貸アパートに住んで、100%返ってこない賃料を払い続けるというデメリット、移住用マンションを買って、銀行返済分の一部が資産になっていくメリット、快適な生活ができるメリット、神経質なまでに綺麗に使おうとするデメリット、これらすべてを解決してくれるのが、投資用マンションの購入という選択だと考えた。