舞い上がれ、5
あれは たしか 転校生だったころ。 新品のかばんに 新品の海をなみなみ注いで 教室からながめていたのだ だされた宿題は ――この宇宙に名前をつけよ 先生の苗字は覚えていない &n.....
第十二週
僕たちがやっと合流できた場所は なんてことのない大きな街の駅の変な彫刻の前だった。 君は肘を軽く擦りむいていた。 へその緒の龍をからだに刻みつけみんな陽気な天文学者 ハーレー・ダビッドソンは.....
木曜日に鳴らした、3
住民票を印刷しているひとびとの咳のあいまのひるやすみくる スリッパを縦にかさねる 人類が人類を傷つけながら春 困惑しない わたしたち、まちがって 産まれてしまった .....