第十六週
この街から夜という夜を奪ったガソリンスタンド大炎上は、 三日三晩燃え続けた。 モノクロの映画の中に真つ黒な血が流れてた昨夜のさむさ 少年は真っ黒な燃え跡のなかに、 二つの指輪がかすかにきらめく.....
第十五週
ちぎれるかと思うくらいに君に強く手を引かれて走り出す。 君はもう行き先を決めていた。 乗り捨ててきたはずのハーレーがそこにあった。 これは幻だろうか。 今からこのハーレーは、朝日と見間違.....
第十四週
足音が鳴り響く時間は、 永遠のように思えた。 僕はその貴重な時間をうっかり、 もし自分たちが誰の目にもさらされず幸せに過ごせていたならという、 くだらない空想に費やしてしまっていた。 音.....