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【将棋世界11月号 ちょい見せ】藤井猛九段、銀河戦優勝自戦解説

2016.09.29 | 

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将棋世界11月号 ちょい見せ】第24期銀河戦決勝
『優勝は 振り飛車のおかげです』
自戦解説/藤井猛九段  構成/相崎修司






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――優勝おめでとうございます。今期の銀河戦を振り返ると、いかがですか。
「まず、何はさておき、佐藤紳哉君(七段)とやった、1年前の予選を語らずにはいられないんです。当時は、竜王戦の決勝トーナメントで永瀬君(拓矢六段)に負けるなど、公式戦5連敗というどん底状態でした」
――藤井九段が銀河戦予選を指すのは、かなり久しぶりだと思われます。
「ええ。ほぼ20年ぶりで、『予選をやるのか』とつらかったですね。でも、振り返ってみると、ここで勝ち、連敗を止めたのが大きかった。逆に予選の存在に感謝ですよ。そこから調子が上がったわけですから。ツイていました」
――パラマス方式の本戦トーナメントの初戦は斎藤慎太郎六段でした。
「銀河戦のシステムを考えていただければ分かるのですが、トーナメント真ん中という私の位置はしんどいんですよ。山の頂上から出られた昔はともかく、今期は決勝トーナメント入りなんて全く考えていなかった。しかも初戦の相手が斎藤君ですからね。正直、勝てる気がしませんでした」
――斎藤六段とは初手合いですが。
「勝率の高い若者相手に、早指しで勝つ気がしませんでした。ただ初手合いなので、手探りな部分もあります。最近の私は先手だと中飛車か石田流ですが、後手を引いたときに何を指すか。藤井システムか、角交換振り飛車か」
――斎藤戦は、藤井九段の後手藤井システムとなりました。
「システムは慣れているから序盤に時間を使わずに済むんです。だから早指しで指したいんですけど、研究されている怖さもありますからね。斎藤君は研究家のイメージということもありまして、ギリギリまで迷っていました」
――藤井システム採用の理由は?
「初形から▲2六歩△3四歩▲2五歩という出だしだったのですが、この先手の指し方は角交換振り飛車やゴキゲン中飛車を牽制しているんですよ。正直、意外でしたね。逆にいうと、斎藤君はシステムなら組みし易しと見ているわけです。そのような手を指されると普段は反発したくなりますが、この日は相手の研究を見てみたくなりました。これがシステム採用の理由です」
――この斎藤戦を含めて、決勝トーナメント準決勝まで3度、藤井九段は後手を引いていますが、いずれも藤井システムでした。
「船江君(恒平五段)と指した1回戦も、横山君(泰明六段)との準決勝もそうですが、対局前の調子があまりよくなかったんです。序盤で時間を使いたくないと、指し慣れているものにすがりますね」
――決勝トーナメントの準決勝までで、特に印象に残るものはありますか。
「2回戦の対梶浦(宏孝四段)戦ですね(参考棋譜)。A図から、普通は誰が指しても▲3八玉なのですが、▲7五歩と突いたらどうなるかという好奇心を抑えられませんでした」



――以下の進行は、△8四角▲7四歩△7二飛▲8六歩△同歩▲同角△7四飛▲7五歩△7二飛▲8八飛(B図)でした。



「▲8八飛まで進めば先手がさばけています。ただ、改めて振り返ると、よく突いたと思います。この積極性を褒めてほしいなあ(笑)」



「私の優勝は、振り飛車がいい戦法だという何よりの証拠です」(藤井)


――決勝戦へ臨むまでの心境は?
「久しぶりの決勝進出で、うれしかったですよ。もともと早指しは得意ではありませんが、以前に早指し選手権とJT日本シリーズを優勝していたので、30代の頃は30秒棋戦をすべて制覇したいという気持ちをひそかに持っていました。40歳を過ぎて難しいなとも思いましたが、これが優勝できる最初で最後のチャンスという気持ちで臨みました」

(続きは、将棋世界11月号をご覧ください)

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