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いつか出る新刊案内「糸谷&斎藤の現代将棋解体新書」~楽しみすぎるテーマ図紹介~

2016.07.05 | 島田修二

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こんにちは。
家系ラーメンが止まらない編集部の島田です。


将棋年鑑が一段落してマイナビ女子オープンチャレンジマッチに舵を切った今日このごろ。チャレンジマッチは今週の土曜日です。ニコ生で中継しますので皆さん見てくださいね。

さて、今日も元気に新刊案内行きましょう。本日紹介するのはいつか出る新刊、その名も「糸谷&斎藤の現代将棋解体新書」です!


これまで「久保&菅井の振り飛車研究」「三浦&阿部健の居飛車研究」と出ていたのは皆さん当然ご存じ、ですよね?





本書はそれらに続く第3弾。前竜王の糸谷先生と前期勝率1位の斎藤先生というなんとも贅沢な組み合わせとなっております。

斎藤先生の真面目な定跡解説と糸谷先生の独特の感覚がいい感じにマッチングされていてこの上なく楽しい現代将棋ガイド、杉田玄白&前野良沢もびっくりのターヘル・アナトミアといえます(意味不明)。


さて、今日は本書で取り上げているテーマ図の紹介文を一部掲載したいと思います。
そうです、こちらを読んでいただいてワクワク感を煽っていく作戦でございます。

だまされたと思って読んでみてください。それでは、どうぞ!


テーマ1 ■相矢倉 ▲4六銀-△4五歩型
◇先手矢倉の危機
ここ数年で最も情勢が変わった戦型と言えば、相矢倉だろう。20年近く▲3七銀戦法が主流として君臨してきてきたが、その中でも▲4六銀・▲3七桂型は多くのタイトル戦で指されてきた。それがいま、先手番の主流戦法は角換わり腰掛け銀にその座を譲っている。
その流れを大きく変えたのは、▲4六銀に△4五歩の反発である。▲4六銀型の初期から指されていたものだが、後手はこのあと4筋の位を保つのが難しいとされ、徐々に下火となっていった。
なぜ、△4五歩が復活したのか。まずは斎藤六段に詳しい解説、そして研究を披露してもらった。▲3七銀戦法、そして現在の先手番矢倉の立ち位置がよくわかる。


テーマ5 ■矢倉-居角左美濃急戦
◇衝撃の第一号局
苦戦を強いられる先手矢倉に、更なる衝撃が走った。テーマ図は2015年に行われた、第1期叡王戦▲森内俊之九段-△阿部光瑠五段戦である。先手はテーマ図から▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2八飛と飛車先の歩を交換した。自然な順に見えたが、以下△7三桂▲6九玉△6五歩から攻め倒されてしまった。しかも、仕掛けられた局面は、先手が既に思わしくないのだという。
左美濃からの急戦矢倉は従来からあったが、奇襲色の強いものとされてきた。それが、矢倉の名手である森内九段が為す術無く敗れた。斎藤六段らは「矢倉で▲6六歩と突くのはダメなのか」とすら感じたという。両者の改めての見解、そして斎藤六段の最新研究も織り込んだ。


テーマ10 ■横歩取り-△2四飛ぶつけ
◇後手高勝率の戦形
前章でも出てきた飛車ぶつけである。この攻めの発見により、先手は駒組みに制約を受けることとなった。
テーマ図は佐藤天彦名人が高勝率を挙げている戦形である。以下▲同飛△同銀の局面が大きな分岐点となる。
初期は▲8四飛と打つ実戦が多かった。2014年の竜王戦挑戦者決定戦第3局で、糸谷八段が羽生三冠を破ったのがこの将棋である。その後、初タイトルとなる竜王を獲得したことは記憶に新しい。
最近では代えて▲8六歩が主流となりつつある。▲8四飛がなぜ衰退したのか。そして佐藤名人の高勝率に2人は驚愕。「先手・後手・佐藤」だと糸谷八段はうなる。


テーマ13 ■角換わり腰掛け銀-▲4八飛型
◇▲4八飛型の減少
本章は斎藤六段がリクエストしたものである。前章で先手の▲2六歩・▲4八飛型の減少について書いた。後手が△4二金右と固めてカウンターを狙う作戦も有力なのだが、そこにもうひとつの強敵が現れた。それがテーマ図の△7三桂である。
初めて指されたのは昨年でまだ局数は10にも満たないが、共に大きな強敵と見ている。特に糸谷八段はテーマ図を見た瞬間「あ、これか!」と、イヤな物を思い出したように顔をしかめた。それだけ先手にとって厄介な戦形なのだろう。先手はここから▲4五歩と仕掛けることになるが、両者の見解は先手にとって厳しい物だった。「▲4八飛という手は3三の銀を直接攻めていないんですね」という糸谷の見解はさすがである。


テーマ14 ■後手一手損角換わり
◇糸谷八段の得意形
最近は矢倉の減少により、多くの棋士が角換わりを指すようになった。それでも、この戦形「スペシャリスト」という印象がある。先手番なら谷川浩司九段、青野照市九段、丸山忠久九段らの名が浮かぶ。
テーマ図の後手一手損角換わりは、ごく少数の棋士しか指さなくなっている。青野九段、丸山九段、山崎八段、そして糸谷八段ぐらいだろう。しかし最近、山崎八段と糸谷八段は後手番で横歩取りを指すようになっている。
後手は角を換えるタイミングがいくつかある。テーマ図の他に、△3二金を入れたものや、△3二金と△8四歩をいれたものなどがある。
そして糸谷八段にはこの戦法のポイントを語ってもらった。


テーマ16 ■四間飛車-相穴熊
◇斎藤-Apery戦より
最近は採用することがなくなったが四間飛車穴熊と言えば、広瀬章人八段の得意戦法である。この戦法を原動力にし、2010年に初タイトルなる王位を深浦康市九段から奪取した。 テーマ図は2015年に行われた電王戦FINALの▲斎藤六段-△Apery戦である。後手は△5二金を保留したまま△6二飛と展開する将棋もあるが、今回はこの形に絞った。
先手は次の△6五銀をどう受けるが、大きな分岐点となっている。▲6六歩か▲6六銀かによって、今後の戦いが全く違った物になる。
斎藤六段は当初、▲6六歩を研究していたが、本番の少し前に▲6六銀型に変更したという。それがなぜなのかが語られている。糸谷八段も▲6六銀型を推している。


テーマ21 ■ゴキ中飛車-菅井流△2四歩
◇前2作からの続き
テーマ図は久保九段と菅井七段の共著、そして2015年10月に出版された「三浦&阿部健の居飛車研究」でも議題に上がっている。
2011年に菅井竜也七段が初めて指した。数多くある〝菅井流〟の中、知名度では上位に入るものだろう。2つの著書を読み返すと、居飛車がよいかもしれないが、勝ち切るまでは大変と言われている。
今回の2人の見解はどうか。先手はテーマ図から▲2四同歩△同角▲2八飛△2三歩▲5八飛、そして▲2八飛△2五歩▲同飛△2三歩の2ルートに分かれる。
ゴキゲン中飛車の流行が一段落し、現在の眼で見ると、テーマ図の局面は2人にどう映っているのだろうか?


テーマ22 ■糸谷流右玉
◇独自のアレンジで看板戦法に
糸谷八段と言えば、デビュー戦の相手だった橋本崇載八段が敗れたあとに「怪物だ」と言った逸話がある。スケールの大きさに拍車をかけたのが、「糸谷流右玉」である。
振り飛車に対する右玉は、古くから灘蓮照九段などが用い、関西では力戦派に受け継がれてきたという。平成に入って絶滅していたが、奨励会員だった牧野光則五段が使い始めたのが復活のきっかけだった。
それを見た糸谷八段は、独自の研究で「糸谷流」に育て上げた。テーマ図は糸谷八段が新人時代に中原誠十六世名人を破った将棋である。
近年、糸谷八段はこの戦法をめっきり使わなくなってしまった。勿論、その理由についても語ってもらっている。


テーマ27 ■先手中飛車-△6四銀対抗型
◇糸谷八段〝ガチ〟の悩み
いよいよ最後のテーマとなった。こちらは糸谷八段のリクエスト。▲5五歩の位取りを許すことを疑問視していたこともあっての設題となった。
テーマ図は▲4六歩と突いたところ。過去の実戦例では代えて、▲9六歩、▲7五銀、8九飛などが指されている。先手が如何に仕掛けの形を作るかが争点になっている。
テーマ図は糸谷八段が「ガチ(本気)」で悩んでいる局面だという。驚いたことに、この局面は、まだプロの公式戦で現れたことがない。ここで△2二玉が成立するかどうかが、大きなポイントだという。
「▲4六歩は、現在の先手振り飛車の希望かもしれない」と糸谷八段は話す。




どーですか、みなさん。

「面白そう!」と思いましたね?

この本はいつか出ますので、その時がでたらもう少し詳しく紹介いたします。

それまで期待してお待ち下さい。


ではでは。

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