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将棋世界

新手年鑑2015。幻の第27問、第28問

2016.05.13 | 国沢健一

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こんにちは。将棋世界の国沢です。

将棋世界6月号の付録は「新手年鑑2015」。全26題、新手ばかりを集めました。勝又六段が悲鳴を上げながら書き上げた渾身作です。

あまりに力を入れすぎて、実は頂いた原稿が入りきりませんでした。埋もれさすにはあまりにもったいないので、勝又六段の許可を得て、ここで公開しちゃいます。
幻の第27問、第28問をどうぞ。

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幻のNO.27

 この▲4八飛が飛車先保留腰掛け銀の定跡。攻めのバリエーションが広いので、後手は専守防衛の構えを取る。これがいままでの定跡だった。だが千田はそれに異を唱えた。
(8/28 阿部光―千田 叡王)

●第27問解答●
 △7三桂(解答図)

 先手は飛車先保留の効果で、▲2五桂と跳ねることができるなど、攻撃の自由度が高い、よって後手が専守防衛策を取るのは当然と思われていた。それだけに△7三桂と跳ねたのは大胆な一手。先手から▲7五歩と突かれ、すぐに狙われてしまうからだ。1号局の阿部―千田戦は、▲1五歩△同歩▲7五歩△同歩▲1五香△同香▲7四歩△7一香▲4五歩△3九角と進んで難解ながら後手が指せる展開になった(結果は阿部の勝ち)。
 そしてA級の佐藤天―渡辺(10月19日)でも渡辺が採用! その将棋は▲4五歩△同歩▲7五歩△同歩▲4五桂△同銀▲同飛△5四角▲4八飛△7六歩▲8八銀△8六歩▲同歩△7四桂(A図)と進み、その後、渡辺が優勢になった(結果は逆転で佐藤の勝ち)。

A級順位戦で登場したことで注目度も増し、ついにはタイトル戦にも登場(2月16、17日・羽生―郷田・王将④)した。その将棋は▲4五歩△同歩▲同銀△同銀▲同桂(B図)というシンプルな仕掛けから猛攻したが、郷田が巧みな反撃を見せて快勝。

 ▲4八飛の形からですら、後手は従順な姿勢を見せず刃向かってくる、ということで先手も苦労が多い時代になった。
 千田「▲4八飛に△7三桂は、昨年(平成27年)のコンピュータ将棋選手権決勝、GPS将棋―NDF(ナイン・デイズ・フィーバー)戦で、NDFが指したのを見たのがきっかけです。その将棋でも現れましたが、△5四角があるのでやれるかと。その後研究して、阿部戦で指しました。この将棋は先手の攻めが少し無理でよくなりましたが、その後、こちらが間違えて負けてしまいました。
 王将戦の羽生先生の仕掛けも有力ですが、あれで後手がつぶれるとは思いにくいです。
 この△7三桂は有力だと思います。ただ、いま私は▲4八金型に力を入れているので、この形にはなりにくいです。ええ、ポナンザも▲4八金―▲2九飛型を得意にしていますよね。後手を持って、なかなかよくできないですね」


幻のNO.28

 飛車先保留でない▲2五歩型は、後手は7三桂と跳ねずに待機して先手からの仕掛けを防ぐと、千日手なりやすいということで廃れた。だが渡辺が再びよみがえらせた。
(9/10 渡辺―行方 A級)

●第28問解答●
 ▲4五歩△同歩▲3五歩△4四銀▲2四歩△同歩▲3四歩(解答図)

 ▲4五歩△同歩▲3五歩△4四銀▲2四歩△同歩▲3四歩(解答図)
 ▲4五歩△同歩に、昔は▲2六角だったが、うまくいかなかった。解答図までが渡辺の工夫で以下、△3六歩は▲4五桂△3七歩成▲2四飛△2三歩▲3三歩成。後手の桂頭を狙う手はないが、攻めはつながっている。
 この将棋は4日後の竜王戦挑戦者決定戦第3局という大一番でも渡辺が採用。永瀬は▲3五歩に△4四銀ではなく△4六歩と突き、以下▲3四歩△同銀▲2四歩△同歩▲同飛△2三金▲2六飛△2四歩▲4六飛と進んだ(結果は渡辺の勝ち)。
 このシンプルな渡辺流の仕掛けは平成27年度は6勝2敗、28年度はさてどうなるか。

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勝又六段の渾身作をぜひご覧ください。





 

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