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鈴木記者のチョイネタばらし「棋聖戦第4局で起きた歴史的事件」

2015.07.21 | 鈴木健二

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みなさま、こんにちは。
将棋世界編集部の鈴木です。
今日は王位戦第2局(1日目)と、王座戦の挑戦者決定戦が行われています。暑いだけでなく、とっても熱い1日ですね。

先週、鈴木は棋聖戦第4局の取材で、新潟県新潟市「高島屋」にいってきました。



結果はご存知だと思いますが、羽生善治棋聖が勝って3勝1敗で防衛、棋聖8連覇(新記録)の偉業を達成しました。



いちばん印象に残ったのはなんといっても、▲6三歩(69手目)△6一金▲6二歩成の3手です。直前に打った歩を成り捨てようとする「反省の一手」で、タイトル戦の大舞台でこのような順は見たことがありません。中継サイトの解説欄(http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/86/kisei201507150101.html)には「これはなんと! 思わず目を疑う手だ」と、その衝撃が記載されています。

実は△6一金の局面で羽生棋聖が長考されているのを見て、中継記者の方が「ひょっとしたら、▲6二歩成と指すかもしれない」と言っていました。それを聞いたときに自分は、「何を言っているの、羽生さんがそんな手を指すわけがないでしょう(笑)」と、心の中で思っていました。でもそうではなく、いつ、どんなときでも自然体でいられる「羽生さんだからこそ指せる手」だったのですね。それで勝ちきった羽生棋聖のすごさを実感するとともに、幾多の名勝負を見続けてきたベテラン中継記者の洞察力にも脱帽です。

この将棋の模様は将棋世界9月号(8月3日発売)に載ります。締め切りがぎりぎりでしたが、なんとか無事に入稿できました。中継サイトには載っていない変化手順(例えば69手目で▲2四歩など)や、控室で青野照市九段から伺ったこぼれ話も記載していますので、ぜひご覧ください。