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7月号から今泉健司四段の「中飛車左穴熊」講座が始まります

2015.06.03 | 国沢健一

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こんにちは。将棋世界の国沢です。
6月3日発売の7月号より、今泉健司四段の新連載が始まります。
写真はトビラ用に撮ったもの。



さて、この講座、題材は中飛車左穴熊です。プロアマ問わず流行中の左穴熊ですが、まだまだご存じない方もいるかと思います。

左穴熊は、

▲5六歩から中飛車を目指す→
相手が居飛車→そのまま中飛車
相手が振り飛車(主に三間飛車)→左穴熊

という感じで、こちらの中飛車志向に対し、相手が三間飛車にしてきた場合に可能な戦型なのですが、「中飛車VS三間飛車」は中飛車側に苦労が多いと思われているため、かなり頻出するんですね。
せっかくですので、その新連載の一部を紹介しましょう。

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(前半略)
左穴熊で目指すものは「戦いやすさ」「勝ちやすさ」です。そのためには金銀4枚で固めて、玉の堅さを主張するのがいちばん。現代将棋において勝ちやすさは、玉の堅さとほぼイコールですからね。
先手はここから一目散に穴熊に囲います。穴熊が完成するまでは仕掛けは考えません。とはいっても左穴熊は序盤の駒組みが命。漫然と組んでいてはダメで、ところどころ大切なポイントがあるんですね。それが第3図です。



第3図以下の指し手
▲2六飛(途中図)△2四歩▲4八銀
△4四歩▲5六飛 △4三銀▲5九金
△2五歩(第4図)

【△2四飛は要警戒】
▲2六飛(途中図)が細かいテクニックです。△2四歩と突かれ、手損するだけと思われる方もいるでしょう。しかし、あえてこの歩を突かせるのがポイントなんです。



▲2六飛で仮に▲4八銀としたとしましょう。以下△1三角▲5九金△3六歩▲同歩△2四飛(D図)で、これは後手が一本取った形です。4九金を動かさなければ▲3八金と守れますが、それでは狙いの四枚穴熊ができません。途中△3六歩には▲同飛と取る手もあるでしょうが、先ほどいったように、先手は囲いきる前に仕掛けられたくないのです。



要は▲2六飛は、手損をしてでも後手から△2四飛と回られないようにしたわけですね。これによって先手は▲3八金の備えがいらなくなるので、4九の金をスムーズに玉側に寄せていくことができるようになりました。
第4図の局面、仮に先手が▲2六飛と回らなければ後手は△2三歩型だったわけですが、常に△2四飛を見せられる△2三歩型より△2五歩型のほうが、先手にとって都合がいいのです。覚えておいてください。「△2四飛は要警戒」です。



第4図以下の指し手
▲6八角△1三角 ▲6九金右△6三金
▲5七銀△7四歩▲7八金右(第5図)

【ついに四枚穴熊の完成】
ポイントの局面を乗りきったら、ひたすら固めます。先手が着々と金銀を寄せていく間、後手も駒組みを進めますが、いかんせん、堅さでは勝負になりません。



第5図までしっかり4枚で囲いました。ここまでくれば怖いものはありません。今度△3六歩は堂々と▲同飛でOK。△5四歩も▲同歩で、以下①△同銀は▲同飛△同金▲4三銀(E図)、②△5四同金も▲6六銀(F図)と上がっておけば、玉の堅さが大差で先手大満足です。次は▲3六歩から駒交換を図る手があります。





「後手の動きを封じながら4枚で囲う」という先手の狙いが見事うまくいきました。第5図は先手成功例ですが、最後にここからの仕掛けを見ていきましょう。(以下略)

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いかがですか。ぜひこの連載を読んで、左穴熊の楽しさを知ってください。