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新刊案内「奇襲振り飛車戦法」~急戦向かい飛車恐るべし~

2014.12.05 | 島田修二

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みなさんこんにちは。
糸谷新竜王の誕生から一夜明けた島田です。

先日飯塚先生の新刊「奇襲振り飛車戦法~その狙いと対策~」を紹介したところ、たくさんの反響をいただきました。ありがとうございました。




前回は「角頭歩」を紹介したのですが、「角頭歩は知ってるからもっとマイナーな戦法を紹介せんかい!」というご意見がありましたので、今日は「急戦向かい飛車」を紹介しようと思います。

まず、「急戦向かい飛車」って何やねんという話です。

10年来の親友にだまされたと思ってこちらの図をご覧ください。


初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀。
ええ。何の変哲もない立ち上がりでございます。

この局面からまず△3五歩!!


 

これが「急戦向かい飛車」の第1歩で早くも不穏な空気。

居飛車は石田流にされたくないので、まぁ▲2五歩△3三角となりますね。

そこからちょっと駒組みが進んでこうなります。

ここから△4三銀▲5八金右△2二飛!!

向かい飛車になりました。
ここで居飛車穴熊大好きな現代の居飛車党は▲5六歩~▲5七銀としそうです。というか、私ならそうします。

それに対して振り飛車は△3二金からいきなり△2四歩!!

なんとこれですでに振り飛車良し!
いやー恐ろしい。

以下の進行を見てみましょう。

▲2四歩に振り飛車は△同飛と飛車で取ってきます。

①飛車交換は居飛車にスキが多すぎて駄目。
②ならばと▲2五歩は△2二飛と引いておいて次に△3四銀から飛車先を逆襲されます。
③じゃあしかたねぇと▲2六歩と受けると△3四飛とされて、手損がひどい上に△3六歩からの歩交換の権利も与えてこれも振り飛車大優勢。

・・・あかん。もういやや。

書籍には居飛車党の正しい対応が載っているんですが、初見でその手順を指せる人が何人いるねん!と突っ込みたくなるようなぎりぎりの手順。

実は私自身この戦法を何度か食らったことがあるんですが勝ったことがありません。振り飛車からは「△2四歩からの飛車先突破」というあまりにも明快な狙いがあるんですが、それをとがめることができないんです。先生。

でも、今回この本を読んだので次は大丈夫です。きっと。(・・・自信なし)

この本には他にも「強引向かい飛車」「鬼六流どっかん飛車」といった、それどんな戦法やねん、という奇襲戦法が収録されていますので、また機会があればこのブログで紹介しようと思います。

それではみなさん、よい週末将棋ライフを。


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