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下村記者の棋楽にいこう 第10手 輪島に行ってきました(後)

2014.07.22 | 

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 前日に王位戦第1局の取材を終えて、現地輪島のビジネスホテルで明け方までに原稿をほぼ仕上げました。編集部に写真とともに送信して業務終了。張り詰めていた緊張感から解き放たれて、出張中で一番ホッとする瞬間です。

 後は無事に東京に帰ることだけですが、1日2便しかない「のと里山空港」の羽田行きの飛行機は16時の夕方までありません。ホテルは10時頃にはチェックアウト。輪島の街に放り出されてしまいました。原稿を書いた後の展開まではさすがに深く考えていませんでした。漆器店はたくさんあってもネットカフェはなさそうだしなぁ。

 そこでひねり出した勝負手が、観光案内所でレンタサイクルを借りることでした。頭の中にフッと桐谷先生がよぎったのです。これが我ながら好手だったようです。機動力が抜群に上がり、重い荷物をホテルに預けてしばし輪島の街を散策です。

 輪島の街は信号も少なく走りやすい。街並みは小京都を思わせる黒を基調とする和風建築が多く、東京では味わえない気分です。市内を所狭しと疾走しました。

 輪島朝市に行ってみました。商店街のメーンストリートにテントが張られて、地元のお婆ちゃんたちが漆器や海産物など熱心に商いをしています。ちょっとでも立ち止まろうものなら「兄ちゃん買うてーな」と声を掛けてきます。勢いに押されて、輪島塗のデザートスプーンを買ってしまいました。

 もちろん輪島塗のお店にも行きましたよ。安い物からビックリするような値段の高級品まで…。財布の中身がさびしい筆者は、買わないオーラを出して冷やかしで見るだけです。

 ランチは能登丼。北陸の魚の幸がドーンとのっているものを全般的に能登丼と呼ぶようですが、これも高いものから安いものまでいろいろあるようです。ちなみに筆者が食べたのはコハダが中心の安いもの。700円でした。

 商店街の一角には「永井豪記念館」がありました。あの「マジンガーZ」「デビルマン」「キューティーハニー」を手がけた漫画家さんです。子供の頃よく観ました!。永井豪さんは輪島市がご出身なのですね。

 輪島の道の駅に向かいます。かつて輪島市は鉄道も通っていたようですが、2001年に廃線になってしまったようです。道の駅にはそんな名残が残っていました。来年は北陸新幹線も開通するので、アクセスは抜群によくなりますね。

 電動自電車なので坂道も楽々、海辺に出てみました。東京に住んでいるとなかなか見ることのない日本海です。鴨が浦という場所は海の水も澄んでいてきれい。岩場を歩いてしばし休憩です。海を眺めながらスマホで将棋ウォーズを数局。今度輪島に来るのはいつだろう。至福のひと時でした。