映像クリエイターがSamsung「T5」を選択する理由|MacFan

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高速SSD×MacBookシリーズで創造力を加速させよう

映像クリエイターがSamsung「T5」を選択する理由

文●大須賀淳写真●黒田彰

扱いやすさや速度に定評のあるSamsungの外付けSSD「Tシリーズ」に、新モデル「T5」が加わりました。普段使いにはもちろんのこと、クリエイティブやビジネスシーンでも威力を発揮する非常に魅力的なポータブルSSDに仕上がっています。実際の業務でどれだけ使えるのか、その詳細をレポートします。

驚くほどコンパクト

サムスンの「T5」は、高速なファイルの読み書きが可能な外付けSSD(Solid State Drive)。現行のすべてのMacBookシリーズの内蔵ストレージがそうであるように、ポータブル向けの外付けドライブもHDDからSSDへの移り変わりが急速に進んでいます。SSDはモータなどの駆動部がないことから消費電力も少なく、HDDよりずっと衝撃にも強いので、持ち歩き目的にはまさにうってつけのメディアです。以前は容量の少ない製品しかなかったのですが、徐々に大容量化が進み、T5では最小でも250GB、最大で2TBという、もはや“モバイル向け”の枠を超えたラインアップが用意されています。映像や音楽の制作業を営み、なおかつ移動も多い筆者にとって、とかく容量を食う動画や音声素材の持ち歩き&作業用ドライブとして大きな興味を持ちました。

T5に初めて触れたとき、もっとも強く感じたのは、本体のコンパクトさ。一般的な2.5インチ外付けHDDの半分以下程度で、長辺は名刺以下というサイズです。MacBookプロに多くの機材を接続して使うような場合にも邪魔になりません。

また、冷却ファンもモータも入っていないため、使用中はまったく無音なのも高ポイント。最近は、スタジオ以外の小さな部屋などでナレーションの録音を行うことも多いので、マイクのすぐ近くに置いてあっても、MacBookシリーズ本体のファンさえ回らなければ、雑音の心配も皆無です。同じ理由で、小規模なプライベートスタジオでレコーディングを行うミュージシャンや、HDDのシーク音で気が散ってしまうという人にもおすすめです。

さらに、ポータブルHDDの場合、環境によってUSBからの供給電力不足で駆動できないケースもありますが、省電力なSSDであればその心配もご無用。13インチのMacBookプロ(2016年モデル)との組み合わせで使っている状態では、バッテリで動作している状態でもトラブルはまったくありませんでした。映像制作のロケ先、打ち合わせ、セミナーでの講義など、さまざまなシチュエーションに大容量のデータを持ち歩くのに、大きな力を発揮してくれています。

Portable SSD T5

【発売】日本サムスン
【価格】250GB:2万円前後、500GB:3万円前後、1TB:6万円前後、2TB:12万円前後
【URL】http://www.samsung.com/semiconductor/minisite/jp/portable/t5.html

本体51gと非常にコンパクトな「T5」。250GB/500GBモデルはブルー、1TB/2TBモデルは高級感あふれるディープブラックでのカラー展開です。

 

「T5」を選ぶ5つの理由

T5を選ぶメリットがこちら。速さや軽量さはもちろんのこと、ビジネスシーンやクリエイティブな作業などで重要になる静かさや省エネを考慮した設計も、ユーザにとってうれしいポイントです。

 

 

「T5」の魅力1・MacBookシリーズと親和性が抜群

MacBookシリーズは購入時にストレージ容量を増やすとかなり高価格になるのが悩みどころですが、外付けHDDを接続すると快適さが大きく損なわれてしまいます。一方、T5は同じ容量をMacBookシリーズに追加するよりも安価で、コスパ良く容量を追加できると同時に、ほかのマシンとのデータ交換にも使えて便利。

また、本体にはUSBタイプCポート(USB 3.1 Gen2)を1つ搭載。USB C to Cケーブル付属で、購入後すぐに利用できる点も魅力的です。質感もMacBookシリーズとマッチし、相性抜群のオプションといえます。

ディスクはウィンドウズと共有できる「exFAT」とmacOSハイ・シエラから追加された「APFS」の2つのフォーマットで検証しましたが、いずれも問題なく使用できました。APFSはSSDに最適化されたフォーマットなので、ハイ・シエラ以降のMacのみで使う場合はフォーマットの選択肢として検討してもよいでしょう。

 

ケーブル付属ですぐに使える

USB C to Cケーブルでの接続は、パフォーマンス、シンプルさの面で非常に快適。出先も含めて「MacBookシリーズの標準装備」といえるポテンシャルがあります。

 

High Sierraにも対応済み

macOS High Sierraから正式に装備されたファイル形式「APFS」でのフォーマットでも問題なく動作。この先しばらくの状況変化に対応しながら、長く使うことができそうです。

 

屋外での利用にもぴったり

外出中にMacBookシリーズを利用する人は多いと思いますが、何かと不安定要素の多い屋外においても、苦にならずに使うことが可能です。軽量であることは、落下などで本体やMacBook側の端子を壊すリスクも大幅に軽減できます。

 

 

「T5」の魅力1・大容量の4K動画でも快適に動作

映像制作では「高速なストレージ」の有無がパフォーマンスを大きく左右し、グラフィックス(ビデオ)カードやCPUと同じくらい重要視されます。今回は、実際に4K/60Pのクイックタイムファイル(コーデックはGoPro Cineform)をT5に入れて、アドビ・プレミア・プロCC(Adobe Premiere Pro CC)を使って編集してみました。その結果、作業に用いた13インチMacBookプロ(2016年モデル)は必ずしもパワフルなマシンではありませんが、1秒で約130MBもの容量がある同ファイルを2つ重ねても、コマ落ちインジケータがまったく点灯せず、快適なオペレーションが可能でした。このときのデータ量は約260MB/秒。ディスクのパフォーマンスを計測する「AJA System Test」では、520MB/秒の読み込みスピードが出ているので、T5の能力自体にはまだまだ余裕がある状態だといえます。

また、映像制作の現場では数十GB単位のデータ受け渡しも頻繁に行われますが、T5はその際のコピー速度が非常に速いのもうれしいところ。外出間際に急遽データをコピーしても、ほとんどの場合は数分で終了するので、多忙な映像クリエイターにもとても有用なツールといえます。速くて大容量、そのうえ持ち運びやすいストレージを探している人には、製品選びの筆頭候補となるでしょう。

 

4K動画編集でもコマ落ちしない

13インチMacBook Pro(2016年モデル)上のAdobe Premiere Pro CCで、1秒で約130MBものデータ量を持つ4K映像(GoPro Cineform形式)を2ストリーム重ねても、コマ落ちせずに快適に動作します。

 

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数値に現れる実力

ディスクの速度を計測できる「AJA System Test」での計測結果。書き込みが489MB/秒、読み込みが520MB/秒と、数ある外付けSSDの中でも、非常に良好な数値を叩き出しました。

 

パスワード設定でセキュリティ対策も万全

T5はコンパクトだけに、紛失や盗難に遭遇した場合のデータ流出が心配です。その場合、専用のユーティリティ「Samsung Portable SSD」を使ってパスワードを設定すれば、ウインドウ上で入力するまでマウントされず、なおかつデータはAES256ビットでハードウェア暗号化され、非常に強固なセキュリティが実現します。

万が一のデータ流出に備えて、専用ユーティリティであらかじめパスワードを設定しておきましょう。