2017.10.12
見つめるだけでアンロック
iPhone Xでは、ホームボタンによるタッチIDの代わりに、トゥルーデプス(TrueDepth)カメラシステムを用いた新しい顔認証システム「フェイスID」が搭載されました。使い慣れた機能を残すことなく新しいシステムだけを採用するのは、アップル製品の潔さともいえます。
フェイスIDは、本人の顔写真をただ撮影して登録するのではなく、センサハウジング部分に搭載された各種のカメラとセンサ、そしてA11バイオニックチップの解析によって実現します。
仕組みとしては、まずトゥルーデプスカメラシステムに搭載されたドットプロジェクタ(Dot Projector)が目に見えない3万以上の見えない赤外線ドットを顔に投射。そして、そのドットパターンを赤外線カメラが撮影して顔の凹凸などの深度情報を取得し、A11バイオニックに渡して解析を行って登録した顔の数学モデルを構築します。この情報はチップ内のセキュア・エンクレーブ(Secure Enclave)という領域に安全に保存されます。
そして、登録したあとは赤外線カメラが取得したイメージと保存されているパターンを照合して本人認証が行われます。赤外線カメラの隣には、目に見えない赤外線を照射する投光イルミネータが装備されていますので、暗い場所でも顔を特定できるのです。