放射線測定のウソ
- 著作者名:丸子かおり
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- 書籍:913円
- 新書判:240ページ
- ISBN:978-4-8399-4355-4
- 発売日:2012年07月25日
- シリーズ名:マイナビ新書
内容紹介
「放射能」の数値がおかしなことになっています。
東日本大震災、それに伴う福島原発事故から拡散した放射性物質を気にしている方は多いかと思います。事故後のひどい対応から、政府の測定データや発表は信用できないと思っている人も多いかもしれません。また、マスコミ報道に疑問を感じてご自身で放射線を測定している方もいることでしょう。
筆者は、福島県で行われた文部科学省の「放射線の知識を持つ測定技術者の育成及び計測支援事業協議会」に「オブザーバー」として参加しました。オブザーバーとして参加して、福島県で実際に私が見聞きした放射線測定の現状は、大変驚くべきものでした。
そもそも、放射線を正確に測定できる機器や人が少なかったのです。
機器自体が怪しいのはもちちん、測定担当者が正しい知識を持たないため、正確な数字が測定できないのです。
放射線測定機器を使うためには、さまざまな測定のルールと技術が必要です。また原発事故後の急激な測定器への需要により、性能に問題がある測定器が流通しています。
そのため、間違った測定結果が算出されるケースが多く、正確ではない測定結果がネットや口コミなどで広まり、「デマ」になってしまうケースがあります。
もしかしたら、あなた自身が知らず知らずのうちに「人をだましている」というショッキングな事実がありえるかもしれません。
また、マスコミ報道やネットによる放射線測定データの拡散の問題も協議会で話題になり、いかに根拠がない怪しい測定データがネット上で広まったり、マスコミ関係者が裏付けを取らないデータを報道しているのかを、思い知ることになりました。
こういったずさんな測定状況が続くと、誰も信じられなくなってしまい、放射能に対する不安が増大し、食品汚染問題や震災瓦礫処分問題の解決も、ますます難しいものになりかねません。
本書では、筆者がオブザーバーとして参加したプロジェクトで見聞きした、測定のプロフェッショナルの話や測定現場の実情を通して、どうすれば正しい測定ができるのか、放射線とどう付き合うかについて解説します。
また、実際に測定しなくとも、この本を読んで知識を持っていただくことで、マスコミの報道やネットでの情報をどう読み解くべきの参考になるように心がけました。
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フォーマット | 価格 | 備考 | |
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書籍 | 913円 |
備考
宮城県出身。大学卒業後、株式会社アスキーなどにおいて、長年、デジタルカルチャー、サイエンス系の記事の編集に携わる。その後IT企業にてコンテンツ制作のディレクター・プロデューサーを経て、フリーライターへ。IT・科学系の記事を中心に執筆し、著書に『AR<拡張現実>入門』(アスキー新書)、『200歳まで生きる!?ここまできた不老不死のテクノロジー』(マイナビ新書)などがある。文部科学省「放射線の知識を持つ測定技術者の育成及び計測支援事業協議会」委員。