練習場に行く時間がない、あまり行きたくない、でも人より上手くなりたいというのは、誰もが持っている正しい欲求です。とは言うものの、私は毎日のように練習場へ通っていた時期もありました。どんなスポーツでも練習と腕前はある程度比例します。残念ながら、自由な時間とお金があっていつでもラウンドや練習場に行ける人達に、ハンデ5以下のトップレベルのアマチュアが多いのも事実です。そうでない人が上手くなる、あわよくばトップレベルも狙えるところの入口へ持っていくのが本書の密かな目的でもあります。
上手い人達と同じように24時間を使えない身としては、日常生活で工夫して、意識せずとも知らないうちに練習になっている方法で、上手い人達に対抗していくしかありません。第3巻はその視点からお話ししましょう。また、本当に必要な自撮りとは何か、についてもお話します。
1 テーブルの上で、球をとらえる感覚を磨く
机の前に座って、気分転換したい時、テーブルに座って食事が出てくるのを待っているとき、何をしますか? スマホをいじるのもいいのですが、短い時間でゴルフの練習でもしてみませんか?
まず、利き手と反対の手をクラブに見立てて、テーブルや机の一点に向けて軽くテーブルの上を擦るように腕を振ってみましょう。テーブルの汚れなどを目標に、何度もそこへ向けて小指の脇が本当に軽く擦るぐらいに再現できれば、かなりの球感覚の持ち主と言えるでしょう。
例えば小麦粉などをほんの僅かに目標のあたりに撒いて、同じようにやってみると案外同じところを擦れていないのに気が付きます。つまり、これができなければ、もっともっと遠くにあるクラブの端っこを、綺麗に狙ったところに降ろせるわけがないのです。
もし上手く行かなくても、自分の頭と手先の誤差を把握しておくだけでも意味があります。できた人は、擦る感覚を一定にすることで、上下の誤差を小さくすることにつながります。
そう、トップやダフリは、この上下の感覚と左右の感覚を鍛えることで少なくすることができるのです。慣れてきたらぜひ目を閉じて10回ほど連続でやってみてください。自分の手がテーブルのどこを擦っているかはっきりと意識できるはずです。
2 とは言っても、身体をゴルファー向きにしよう
ゴルファーっぽい身体ってどんなでしょうか? 石川遼くんみたいなスリムな感じ? 松山君のような野武士のような体型? 考えてみるとお腹がポコッと出ているトッププロもいますし、女子プロにだっていますよね(笑)。となると、体型はどうでもいいのではないかとも言えます。使うところが柔らかい、または硬くても軟らかそうに使えれば、それがゴルファー向きの体型ということになります。
散々ゴルフ雑誌に書かれている、肩甲骨の柔軟性、股関節の柔軟性をはじめ、肩の柔軟性や腰回り、手首、首回り、挙げれば限りがありませんし、ここでは人並みであれば良しとします。それ以上動くのであればケガの予防という観点からは良いと思いますが、必要条件ではないと思います。
ということは、だいたいの人はゴルファー向きの身体であると言えます。つまりスイングができれば良いので、問題はよりスムースに力の入っていないようなスイングができる身体かどうかなのです。