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ゴルフプラネット 第33巻

【第1回】まえがき/新年に想うこと

2016.03.25 | 篠原嗣典

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まえがき

 

 33巻は2008年に書かれたものをまとめたものです。

 この年は1月に石川遼がプロ宣言して、はにかみ王子ブームが最高潮になりました。その影響でジュニアゴルファーが強烈に増えていきましたが、リーマンショックも起きた関係で秋以降、ゴルフ業界にも影が差します。

 

 個人的には、大病の治療が進み、治ってきたことを実感している様子が手に取るようにわかる1年です。しかし、実際にはまだまだ万全ではなく、春頃に体調を崩したりもしました。

 ゴルフはそういうことを反映して、乱高下を繰り返していました。振り返ると、身体の問題より気持ちのコントロールができなかったのだと思います。

 メンタルを完璧にコントロールすることはゴルファーにとって理想ですけど、コントロールできないことはゴルフの味付けの中で重要な割合を持っているのも事実です。つまり、コントロールしきれないメンタルがあってこそゴルフは面白いのだと思うわけです。

 

 33巻のコンセプトは喜怒哀楽です。

 まさに、喜んでは怒り、哀しんだけど楽しいという色々な話が出てきます。

 夏の終わりに甥っ子がゴルフを始めます。先の話になりますが、1年後にはゴルフをやめてしまうのですけど、それに関連する話を読み返すと素晴らしい経験をさせてもらっていると、改めて感謝する気持ちになります。

 

 2008年は現在の自分に繋がっていることばかりなので、古くて新しい不思議な感じがします。

 ゴルフの喜怒哀楽を楽しんでもらえれば幸いです。

(2014年1月)

 

新年に想うこと

 

 正月はとても充実していた。親戚がたくさん家に来て、みんなが笑顔で幸せな気分になった。3日からゴルフの練習に行こうと思っていたのに、体調を崩し、そのまま体調が悪いのには困ったが、調べてみると昨年も同じように体調を崩していた様子…… 気合が足りない。

 

 結局、1月の2週目になっても練習には行けていない。ラウンドの予定も19日の研修会までないのでさっぱりである。

 

 と言いながらも、冬休みがたっぷりあるのはとても良いことだと再確認した。来年の暦を見ると4日が日曜日で、5日から始動するパターンになりそうだが、逆に年末の休みを23日からにしてたっぷりと冬休みを取ろうと誓っている(無理だろうなぁ……)。

 

 ゴルフがしたいなぁ、と強く思うことは大事である。私の場合、常に臨戦態勢にあることが、逆に、ここ数年の初打ちの遅さに繋がっているような気がするが、長い人生そういうこともあるだろうと今年はどっしりと構えている。

 

 20代は、大晦日にゴルフをして、一旦家に帰ったあと、ゴルフ場に泊まりに行って年明けを迎え、新年の一番スタートで一気にプレーをしてダッシュで家に帰って、午後から訪れる親戚への挨拶というスケジュールを毎年やっていたのだから、大人の余裕で良いのだと、今年は思えたのだ。振り返れば、ナイターゴルフでプレーしながら年を明かしたこともあった…… どんなにやってもゴルフは飽きないものである。

 

 貪欲に自分が先頭を切って予定を組まない昨今、それもまた道であり、ゴルフのことを色々と考える時間はむしろ増えたと言えるのだ。

 

 例えば、ルールブックである。2008年のルールブックは、まず厚みが増した。パトロンには報告済みだが、この厚みの微増のせいで発送作業が大変だった。厚みの原因は、ページ数が増えたからだが、特筆すべきは簡易ガイドという10ページのルール説明の部分だろう。

 

 このガイドは非常に良くできていて、最低限のルールがまとめられている。このガイドを見て、ドキッとするような人は危険な勘違いゴルファーの可能性があると、自らを戒める必要がある。年明け早々、最低限ですよ、とシビアに基準を提示されているようで気持ちが良い。

 

 これはいいや、と一つでも後回しにすることは、全て出来ないのと同じことである。良くできた要約は、そういう心掛けを持つべきだと教えてくれる。是非、この10ページを読んで欲しい。規則の本文はJGAのHPで確認出来るようになっているが、残念ながら、この簡易ガイドは現時点では2008年のルールブックを持っていないと読めない。

 

 ルールブックの使い勝手という意味では、小口に見出しがなくなったので非常に使いづらいものになったという問題もある。小口の見出しというのは、辞書などにもよくある本を開くときに階段状にここまでが『あ行』とかがわかるような印刷されていることを言うのだが、今年のルールブックにはそれがない。これを何故やめてしまったのかはわからないが、あるとないとでは全く使い勝手が違うので、出来れば来年は復活して欲しい。

 

 ルールブックを閉じつつ、次に考えたのはGolf Planetの新しいCD-Rのことだった。中身については、また別に説明するとして、概念ではなく具体的な動きに関しての内容は、初めてと言っても過言ではなく、これはかなり面白いものになるという自信がある。冬休み中に、草稿は既に書き終えていて、自分自身でも大いに楽しみである。

 

 続いて考えたのは、改良中のスイングのこと。大晦日のプレーでは、アイアンのジャッジミスと自分のミスショットが重なって池ポチャが一つあっただけで、OBは1球もなかった。正直言うと危ないボールは3球ほどあったけど、それは愛嬌というものである。

 

 体調が悪くてベッドで寝ていても、色々と考えることはあるものだ。形が見え始めた改良も、いよいよ核心に向かっているような気がしてくる。下半身の動かし方が現実的に出来るようになれば、安定感はグッと増すだろうと嬉しくなる。複雑な立体パズルのようなもので、動かしたい箇所を直接触っても動かないので、他の場所を色々と試すような作業は、面倒でもあるが正解が見つかった場合の力強さも知っているので楽しい。

 

 初詣にも行った。後厄も明けて(節分が正確な節目らしいが)、なんだか清々しかった。厄年を挟んで色々あった3年間だったが、今年からは第二の人生というつもりで気合いを入れた。

 

 初打ちラウンドまでに、やっておきたいことはまだたくさんある。例えば、古いルールブックと新しいルールブックの入れ替えがまだだし、やや少なくなってきた短いティーの補充もまだである。今日できることを明日にするのは嫌いだが、ゴルフに関しては初打ちから逆算して、気持ちを盛り上げたいと思っているから別である。

 

 昨年は目標としていたより2つほどラウンド数が少なかった。今年は、強いて目標ラウンド数を上げた。ゴルフにたくさん行くのは覚悟とタイミングが合えば意外に簡単だ。簡単だと知っているから覚悟もしなければ、タイミングも合わせないというのが悪いパターンである。

 

 プレーしなくともゴルフを楽しめることは自慢である反面、色々と障害も生むのである。でも、今年はラウンド数の目標を達成できそうな気がする。春の訪れとスイング改良の手応えが重なれば、しめたものだと思うのだが……

 

 まずは練習場に行ってボールの打ちたいところだが、それは体調を戻してからである。意図しない寝正月で完全に惚けている体にも活を入れたい。

(2008年1月8日)

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