出窓
家から大きな商店街に向かう方法は何種類もあるのだが、最短距離をジグザクと路地を進んでいく道が好きでよく歩く。
大きな商店街は、江戸時代の五街道の一つである中山道の江戸を出発して最初の宿場町である板橋宿の一角である仲宿という商店街である。
この周辺には陸軍の施設などがあったらしいが、宿場町であった商店街の周囲は空襲でも焼けなかった。だから、人が通るのもやっとというような細い路地がたくさん残っていて、路地には戦争中に防火のために掘ったと思われる手押しポンプ式井戸がぽつんぽつんとある。