【第13回】寄るが勝ち

寄るが勝ち

　今年のマスターズを制したショットとして、世界中で何度もタイガー・ウッズの16番パー３の２打目が入る映像が流れた。確かに、斜面にぶつけたスピンの掛かったボールがコロコロと斜面を落ちていき、止まったと思ったら、次の瞬間にコロリとカップインする様は奇跡の証人になったような興奮を伴う。

　入れたタイガーも嬉しかっただろうが、もっと喜んだと推測されるのはナイキのスタッフであろう。カップに止まったボールは、どアップになっていた。ナイキのレ点のようなマークは、まるで作られたコマーシャルのように映っていた。もし、私が広報のスタッフだったらマツケンサンバを踊りながら、臨時ボーナスに向けて一気に販売攻勢を掛けるべく営業のスタッフと打ち合わせを開始しているはずだ。