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ゴルフプラネット 第18巻

【第3回】1組の人数を考える

2016.08.24 | 篠原嗣典

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1組の人数を考える

 

 一昔前では考えられなかったが、2サムでプレーすることが一般的になってきている。とはいえ、ゴルフ場からすれば迷惑な話であり、朝、フロントでもめている時もある。予約をした方は、2サムのつもりでスタートを取り、コースは2サムは受け付けていない、というような行き違いが原因だ。

 

 集客に苦労していて、空いているコースでも、本音では2サムは敬遠している。ましてや、休日は満タンだ、と嬉しい悲鳴を上げているコースは、一度2サムを認めると、それを見た別の人が2サムで予約しようとするという悪循環に陥るのを恐れているのである。まあ、いいや、という曖昧さが、過去にいくつものゴルフ場に危機をもたらせたからだ。あるコースでは、組合せになるということで納得してもらい、一人で来る客などいないので、コースの従業員が慌てて一緒に回るという事態になったという話も聞く。

 

「ゴルフは、本来、4人一組でプレーするものでして……」

 

 偉そうに説教する馬鹿な支配人がいる。冗談じゃない!

 

 少し冷静に考えれば、ゴルフが2サムというより、2ボールのマッチプレーで行われてきたことは間違いの無い真実である。つまり、2ボールのシングルマッチ、つまりは2サムがあっても何の問題もないし、本来という意味では4人で4ボールというのは、基本ではなく応用なのである。

 

 時間に敏感な人なら分かると思うが、4人一組でストロークプレーをする場合、かなりの上級者が集まっても、同じレベルが3人の組には追いつかない。つまり、4人一組はプレーが遅くなるのである。

 

 アマチュアの予選もハーフ3時間が当たり前だと聞く。私が現役の頃も同じような状態だった。いわゆるスコアが良い人が4人で慎重にプレーした結果、スロープレーになってしまうのである(実際はティグランドが渋滞するのであるが)。

 

 日本のツアーも米ツアーも、3人一組が多い。メジャー級の試合は、2名一組が当たり前だ。個人的なことを言えば、4人一組のリズムより、3人一組のリズムの方が好きだ。待つ時間が格段に減るだけではなく、同伴するプレーヤーに気が配りやすいからだ。

 

 営業面を考えれば、4人1組にした方が良いという事情は理解できるが、何とも無策だなぁ、と思わずにはいられない。

 

 1人減れば、売上は25%減である。ハーフで25組、トータルで50組プレーさせているコースで1人に付き1万円だとすれば、全組4人なら200万円で、全組3名なら150万円である。しかし、全組3名であれば、プレー時間が短いという前提でスタート時間枠を増やせば、ハーフ30組、トータル60組が可能になる。その場合の売上は、180万円。ハーフターンで待ち時間が長くなるというデメリットに目をつぶれば、売上は10%減だけで済む。

 

 また、朝早い時間に2サムのスタート時間を設けるという方法もある。ハーフが終わった後は、2サム同士でくっついてもらって組合わせて次のハーフをプレーする。2サムはハーフだけになってしまうが、全く出来ないよりハーフでも出来た方が良いという人はたくさんくるはずだ。この方法だと、2サムで早くハーフを回れる利点を生かし、早朝からの時間帯を使うことができ、午後は実質的にスタート時間は半分で済むようになるので、経済的である。

 

 早くプレーすることは、たとえ建前であっても、ゴルフ場も求めている。3名でプレーすることも、早く回る為に非常に効果のある方法である。特に、腕に自信がないメンバーであれば尚更だ。

 

 バブル期までのゴルフ場は、3人1組になると怒ったりした。1人分のキャンセル料まで取る所もあった。そういうギスギスしたことは今はない。それは幸せなことであり、その幸せを上手に利用するのは、21世紀に生きるゴルファーとしてテクニックの一つだと思う。

(2004年1月20日)

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