【第2回】つり革かなぁ? | マイナビブックス

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ゴルフプラネット 第16巻

【第2回】つり革かなぁ?

2016.08.12 | 篠原嗣典

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つり革かなぁ?

 

 グリップだけではなく、何かを握ると指の関節が痛い。昨年の夏頃から一向に良くならないが、医者に行くほどでもないと高を括っていた。日常生活に支障はないが、長い間指を同じ形にしておいて動かす時にビリビリと痛む感じだった。

 

 パットのグリップを変更したのもこの痛みが原因だった。絶不調だったパットが良くなったきっかけはパターを替えたことであるが、振り返ってみると指の痛みが根底にあったことは否定できない。

 

 長い間ゴルフをしていた影響で、私の体にはいくつかの障害がある。

 

 一つは、ヘルニアである。これは、神経に触れる場所ではなく、かつ、骨盤に近い場所にあり、10年以上前のものなので、既に、石灰化していて心配ないと医師が言うのだから大丈夫である。

 

 もう一つは、指の変形である。指の関節がグリップの形に変形していて、手の平をパーの形にすると指が真っ直ぐにならず、数本が歪んでしまう。

 

 指は20代の頃から自覚していたし、勲章のようなものだと思っていたが、ヘルニアは以前に原因不明の腰の疾病になった時の精密検査で発覚したもので、その当時は結構衝撃だった。それでも、ゴルファーとしては、体に証が残るほど熱中していたことを証明するものとして誇りに思ったりしているのである。

 

 指の痛みも、そういうような後遺症の一つが年齢と共に表面化したのだと思っている部分もあった。コンクリートが敷かれた上にゴムマットを乗せて練習する環境は、医師の話では肘など血行障害の原因になると言われていた。そういう血行障害がどのように体に影響するのかは知らないが、指の痛みという形で出てきても何の不思議もない。

 

 先日、スポーツのトレーナーの方と話す機会があり、話の流れで、指の痛みの話をした。少し自慢気に……。

 

 その方は興味深げに私の話を聞いたあと、手を見せてください、と言いながら、私の指や手首を押し始めた。押しては、痛いですか? と聞く。何箇所か痛みを感じる場所があった。

 

 その方は、サラリと言った。

 「軽い腱鞘炎ですね」

 

 スポーツトレーナーの口から出る言葉は、ゴルフ絡みの聞いたこともないものだと期待していた。それが、どこにでもある腱鞘炎とはガックリしてしまった。でも、ゴルフが原因かもしれない、と思い直して疑問をぶつけてみた。

 

 その方は、私にここ1年位での生活の変化や普段の仕事について質問した。私は少しムキになってゴルフ絡みにしながら質問に答えた。

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