【第5回】初心忘るべからず | マイナビブックス

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ゴルフプラネット 第11巻

【第5回】初心忘るべからず

2016.09.05 | 篠原嗣典

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初心忘るべからず

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 グリーンの読みの場合、第一印象が最終的に正しいということが少なくない。グリーンの外から歩いて来る際に、足から伝わる感覚の情報や視覚の情報が、言語にならなくても脳の中で処理された結果、第一印象は生まれるのである。グリーンに乗って詳細に観察する内に、確信になるケースと疑惑になるケースに別れていくのだ。疑惑が誤解であることは、打つまで分からないのだが、木を見て森を見ず、という諺のごとくで、全体像でなければ分からないこともあるし、詳細を確認しなければ分からないこともあるのである。

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 ゴルフの進歩の大きな要素は、経験と知識である。得た情報を処理する上で、この二つは欠かせないものであるが、ある程度のレベルになると経験や知識が邪魔をすることもある。

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 最初に出した例は、初心者に直接関係ないが、知識と経験が邪魔をするという意味では、非常に分かりやすい例なのである。

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 ゴルフが上手な人は2種類のタイプに分かれる。始めた時から、抜きんでたセンスがあって、センスの裏付けをバックにした努力が報われた人たちと、どん底からひたすらに努力をして這い上がって来るように結果が付いてきた人たち。比率は、悲しいかな圧倒的に前者が多い。

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 ゴルフは簡単なのだと狂信することは、上達する為のキーワードである。難しいと感じる部分が多ければ多いほど、ゴルフは複雑怪奇になってしまうものである。達人たちが簡単にやっていることは、実は、本当に簡単だったりするのだが、難しいと思った瞬間から、自ら単純なものを分解して複雑にする迷路に入ってしまうのである。更に問題が深刻なのは、単純なものほど、どの方向からでも分解が出来てしまうので、バラバラにしやすい点である。

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 誰でも最低一つはあるのが、ゴルフを始めた時は得意だったのに、今は苦手なストロークである。こういうものが、先程書いた単純なものを自ら壊してしまったものなのであることが多い。当然、経験や知識が邪魔をしているという背景がある。

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 アプローチを考えてみると分かりやすい。生まれて初めてのプレーの時からアプローチが上手い人は、ごく希である。スタート時は、経験不足から多くのミスをするものである。

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