【第5回】例えば、どこかの国で

2015.08.31　|　篠原嗣典

　十数年前、非常に腹が立って、乗り込んでいって当事者に直接抗議しようと思ったことがあった。

　どこの国かは武士の情けで書かないが、大学生のゴルフの公式試合で、スコアの誤魔化しがあったのである。

　ＡとＢとＣの３人がいたとしよう。話は簡単である。プレー終了直前の１８番ホールで、ＡがＢとＣに

　「このままのスコアを提出したらマズいから、７５ってことにする。ＢとＣは７６でいいだろ」

　と小声で相談を持ちかけた所から話は始まる。

　３人はそれぞれ学校が違い、学年もＡは最上級生、ＢとＣは１つ下ということになる。一応、Ａは上級生だし、所属しているゴルフ部はプロゴルファーになった場合に尋常ではない影響力を持つＯＢが揃っているので有名な所だけに、下手に刃向かったら後が怖い。ＢとＣは、その指示に従ってスコアを改竄した。

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